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ハマスタが財布いらずに?「ベイスターズコイン」の衝撃

球場にもキャッシュレスの波

プロ野球の横浜DeNAベイスターズが、スポーツ関連の事業を営むベンチャー企業の育成支援を始めました。題して「ベイスターズ スポーツ アクセラレーター」です。

その第1号の事業者として選ばれたのが、ギフティ(東京都品川区、太田睦代表)。オンラインでギフトを送るサービスや、景品や謝礼などをLINEやメールで送れるデジタルチケットサービスなどの技術を提供している会社です。

いったいなぜ同社が選ばれたのか。そして、ベンチャー支援を通して、何を狙っているのか。ベイスターズの戦略を深掘りしました。


ハマスタ周辺で使える電子地域通貨

「成長性」「実現性」「必要性」の3つの視点で審査を経て選ばれた、ギフティ。上記のようなサービス以外に、これまで紙やカードの形で発行されていた地域通貨を電子化する技術も持っています。

この地域通貨の電子化技術と、球団が持つさまざまなデータやネットワークを融合させ、本拠地球場である横浜スタジアム周辺で使える電子地域通貨「ベイスターズコイン」を創出しようというのが、今回の試みです。

細かい点はこれから詰めていくそうですが、利用者はクレジットカード決済で電子マネーをチャージしておき、横浜スタジアム内での買い物はもちろん、スタジアム周辺の飲食店や小売店でスマートフォンに決済画面を立ち上げ、そこに専用のスタンプでぺたんと押してもらって使う形を想定しています。


専用のスタンプで押してもらえば決済が完了する仕組みを想定

日本は世界でも希有な、現金が発達した国ですので、電子マネーの優位性は諸外国に比べるとさほど高くありません。それでも、ゲーム観戦中に売り子さんを呼び止めてドリンクを買おうと思ったら、財布には1万円札しかなかった、ということはよくあります。

ギフティはアプリを使わない技術も持っているので、アプリをダウンロードせず使用できる仕組みにすることも想定しています。アプリのダウンロードはメモリを食うため、アプリが不要であることでハードルを下げられます。

ギフティが選ばれた理由

それにしても、ベイスターズはなぜ電子地域通貨の創出に乗り出したのでしょうか。

球団は、スポーツの力で横浜の街に賑わいを作る「横浜スポーツタウン構想」を昨年1月に公表しています。横浜スタジアムの中だけでなく、球場周辺の街全体を活性化させようという構想で、賛同するパートナー企業や地元行政との三位一体で、スポーツベンチャーの育成支援などを推進しようというものです。

球団は、自らが保有するさまざまなデータやネットワークを提供する形でベンチャー企業を支援します。その対象となるスポーツベンチャー企業を昨年12月から今年1月にかけて募集しました。

募集テーマは、選手の技術向上のためのデータ解析分野から、ファン開拓、グッズや球場グルメの開発、スポンサー獲得など多岐にわたり、応募事業プラン数も52件に上りました。現金の持ち合わせがなくても支払いができる電子通貨系のプランの応募は他にもあったようですが、その中でギフティが選ばれたポイントは“実績”だったとみられます。

その一例が「しまとく通貨」です。長崎県内の島しょ地域の5つの市町が離島活性化を目指して始めたプレミアム商品券で、5市町内の指定店舗でのみ使用が可能。販売開始は2013年4月ですが、2016年10月から電子化されています。

その電子化技術を提供したのがギフティでした。地域通貨の電子化は、これが国内初だったそうです。同社はこのほか、伊豆諸島、小笠原諸島11島からなる東京島しょ地域の電子通貨「しまぽ通貨」にも技術提供しています。

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