はじめに
夏休み期間中は旅行客の増加に合わせてJR・私鉄各社が臨時列車を運転しますが、今夏もSL列車やトロッコ列車、観光列車など、乗って楽しい列車が勢ぞろいしました。
昔懐かしい汽笛に郷愁を感じるSL列車や爽やかな風が肌に心地良いトロッコ列車、車内で地酒や郷土の味を楽しめる観光列車に乗れば、夏休みの楽しい思い出になることでしょう。長期休暇が取りやすい夏休みの旅では、全国各地の観光列車に乗るチャンスが拡大します。
今回は北海道から九州まで、全国各地でこの夏に運転されるSL列車・トロッコ列車・観光列車をご案内します。
予土線窪川~宇和島間の「しまんトロッコ」(車窓に四万十川)
全国各地で運転される観光列車とは?
車窓の風景や車内イベントが楽しめる特別な車両を使用したのが「観光列車」ですが、SL列車やトロッコ列車を含めた、乗って楽しい列車の総称としても「観光列車」という名称が使われています。
観光列車「越之Shu*Kura」
最近ブームの車内で料理を楽しめるレストラン列車も含まれますが、今回は指定席特急券または普通列車の指定席券、指定席グリーン券と乗車券で乗車できる観光列車にスポットを当てます。というのも、レストラン列車は数カ月前からの予約が必要な場合や座席提供数が限られるためで、これから計画を立てても予約が取りにくいからです。
JRの場合は乗車日の1カ月前の10時から駅のみどりの窓口や旅行センター、主な旅行会社において、特急券や指定席券などの予約・購入ができます。もちろん、空席があれば乗車前日でも予約が取れます。
さらにJR東日本のインターネットサイト「えきねっと」をはじめ、JR各社が提供するインターネットサイトからも予約が可能で、自宅に居ながらにして空席状況や指定席券が確保できるという便利さもあります。このほか、私鉄各社の場合は駅窓口がメインですが、一部の会社を除いて電話予約・インターネット予約などもあります。
昔懐かしい汽笛が楽しめるSL列車
今年の夏に運転されるJRのSL列車は、JR東日本が4列車、JR西日本が2列車、JR九州が1列車の計7列車です。
磐越西線会津若松~新津間の「SLばんえつ物語」(C57形180号機)
北から順に紹介すると、釜石線花巻~釜石間の「SL銀河」(C58形239号機)、磐越西線会津若松~新津間の「SLばんえつ物語」(C57形180号機)、上越線高崎~水上間の「SLみなかみ」「SLレトロみなかみ」(C61形20号機またはD51形498号機)、信越本線高崎~横川間の「SL碓井」「SLレトロ碓井」(C61形20号機またはD51形498号機)、北陸本線米原~木ノ本間の「SL北びわこ」(D51形200号機)、山口線新山口~津和野間の「SL『やまぐち』号」(C57形1号機・車両故障により検査修復中)、鹿児島本線・肥薩線の「SL人吉」(58654号機)です。
乗車には乗車券のほかに指定席券(520円・「SL銀河」と「SL人吉」は800円)が必要となります。また、「SLばんえつ物語」と「SL『やまぐち』号」には展望風景が楽しめるグリーン車が連結されており、ゆったりとした座席でSL列車の旅を満喫できます。
東武鉄道鬼怒川線下今市~鬼怒川温泉間の「SL大樹」(C11形207号機)
なお、私鉄・第三セクターでは、東武鉄道鬼怒川線下今市~鬼怒川温泉間に「SL大樹」(C11形207号機)、真岡鐵道下館~茂木間に「SLもおか」(C12形66号機またはC11形325号機)、秩父鉄道熊谷~三峰口間に「パレオエクスプレス」(C58形363号機)、大井川鐵道新金谷~千頭間にSL急行「かわね路号」(C10形8号機・C11形190号機)が運転されています。