はじめに

夫は妻にとって侵略者なのか?

一方、夫に最も手厳しい層である、「希望しない」と答えた40代以上の妻たちは、どんな理由をコメントに寄せているのでしょうか。夫諸氏から、余計なことしなくていい!とお叱りの声が聞こえてきそうですが、対比させながら理解を深める意味でも、ピックアップしておきたいと思います。
案の定、かなり辛辣な言葉が並びます。40代以上の妻がいる夫諸氏は、心してお読みください。

「今更早く帰って来られると、申し訳ないが邪魔! (50代:派遣社員)」「家に早く帰って来られても家事をやるわけでもなく私の仕事が増えるばかりだから(40代:パート/アルバイト)」「ご飯の用意が大変になるし、日中の自分の時間が侵略されるから(50代:パート/アルバイト)」

もはや夫は侵略者になってしまいました。妻からしてみれば、長年かけて作り上げた自分なりの生活ペースがあります。そこに突然、働き方改革だからと夫に早く帰ってこられてはペースが乱れる、という言い分は理解できる気がします。ただ、何かそれだけではない、別の感情もこもっているように感じなくもありませんが…。

「夫婦のあり方改革」という宿題

さてグラフに戻ると、やはり気になるのは「どちらとも言えない」と揺れている妻の心が、どうすれば「希望する」の方に移るかだと思います。

先ほどは辛辣な言葉ばかりを並べましたが、「希望しない」と答えた理由の中には次のようなコメントもありました。

「ストレスを感じることなく意欲的に働いているのであれば、自由に働いて欲しいと思う(40代:その他)」「家庭的な主人ではないのでストレスになるのではと不安になる(40代:パート/アルバイト)」

ちょっとホッとするコメントではありませんか。そんな妻たちの優しい気持ちに、夫諸氏は気づいているのでしょうか。「希望する」と同じだけ「どちらとも言えない」という声があるというのは、実はそれだけ多くの妻が夫のこれからの言動に期待していることの表れなのかもしれません。

そんな妻たちからのメッセージをどう受けとめ、どう返答するのか。これは働き方改革を通して突きつけられた、妻たちから夫諸氏への宿題だとも言えそうです。働き方改革とは、見方を変えると夫婦のあり方改革でもあるのだと思います。

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