はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回はマネーフォワードから生まれたお金の相談窓口『mirai talk』のFPがお答えします。

パートナーと同棲をしています。現在は、一部の生活費をお互いが出し合って、他は各自で管理しています。2年以内に結婚も予定しているので、これからは家計をひとつにして、二人の貯金をしっかり貯めていきたいと考えています。まだ相手の支出額や貯蓄額は聞いていないのですが、家計をどのくらいで考えて、貯金をどれくらいしていけばよいのか目安を教えていただきたいです。


〈相談者プロフィール〉
・女性、35歳、未婚(パートナー:34歳会社員)
・職業:会社員
・手取り月収:本人20万円、パートナー30万円
・預貯金:本人150万円、パートナーは不明


【家計の内訳】
・住宅費:13万円(二人で折半)
・水道光熱費:1.5万円(二人で折半)
・食費:5万円(二人での外食含む)
・通信費:1万円(それぞれ0.5万円)
・生命保険:二人とも未加入
・その他支出:本人約5~8万円、パートナーは不明
※3年以内に子どもが欲しいと考えています。


FP: ご相談ありがとうございます。miraitalkのファイナンシャルプランナーの宮城です。ご結婚に向け、家計をひとつにして貯蓄を作りたいとお考えなのですね。

お互いを尊重して支出にメリハリをつける

今後、家計をひとつに合わせたいということですが、これまでのお金の使い方や大切にしている支出などが異なる二人が一緒に合わせていくということですから、まずはお金の使い方や考え方について話し合えるとよいですね。

難しい話をする必要はなく、「自分は何にお金をかけていきたいのか」「どういうところは節約すべきと思っているのか」などを話すことができればよいと思います。お互いの考え方を聞いて、自分が譲れるところ、譲れないところを考えて、支出を相談して調整していくことができるとよりよいでしょう。

たとえば、彼が趣味にこだわりたい、趣味のための支出は惜しみたくないという場合は、相談者さんも参加しながらおトクに楽しむ方法を探してみたり、自分は美容にお金をかけて若さを保ちたいと考えるのなら、成果を彼と確認してみるなど、相手を否定するのではなく、楽しみながら支出にメリハリをつけて、削減どころを見つけていけるとよいと思います。

また、お互いが自由に使えるお金について予算を決めるのもわかりやすい管理方法のひとつです。貯蓄額を決めたら、残ったお金を家族のお金と個人のお金(おこづかい)に分け、個人のお金の予算内であればお互い自由に使うというものです。

貯蓄の目標は、収入の20%以上

一般的な目安として、手取り収入の6分の1を貯蓄できるようにお伝えしていますが、相談者さんの場合は2人合わせた収入も多く、これから結婚や出産などさまざまなライフイベントがある状況ですので、まずは収入の20%以上を目標にしていただければと思います。これからの生活は今までと大きく変わる可能性もありますから、できれば30%近くを貯蓄に充てられるように支出をコントロールしていけるとよいでしょう。

貯めるためには、手取りから貯蓄分を引いて残りのお金で暮らすという「先取り貯蓄」をしてもよいと思いますが、生活費のペースがつかめないうちに始めると、足りなくなって先取り貯蓄から使ってしまうなど、本末転倒になるケースが多々あります。まずはペースをつかんでから、確実に実行できる金額を決めて先取り貯蓄をしてみましょう。

仮に毎月手取りの30%、15万円を貯めていくと、1年間で180万円貯めることができます。ボーナスがあるようでしたら、そこから20万円を貯蓄に回せると、年間で200万円貯めることもできますね。ある程度貯まったら資産運用をはじめてみるのもよいでしょう。

ただ貯めることを目的にせず、ライフプランニングをして、いつ、どんなお金が必要なのか、そのために必要な貯蓄はいくらなのかなども計画していってくださいね。

妊娠をする前に生命保険加入の検討を

相談者さんと彼は、生命保険に関しては無保険状態です。今の相談者さんの貯蓄は150万円。大きな病気やケガといった万が一のときに、治療費や生活費が支払える状況であればよいのですが、これから使うためのお金を貯めていこうという時に医療費を貯蓄から払うのは大変かもしれません。

病気やケガはいつ起こるかわかりませんから、その備えのために医療保険への加入を検討してもよいでしょう。家計への負担が少ない掛け捨ての安いもので構いません。若い内に加入するほうが保険料は安いですし、特に女性は妊娠した時など、入りにくくなってしまう時期がありますので、早いうちに検討されることをおすすめします。

保障内容を考える際は、不安だからとやみくもに保障を増やさないように注意が必要です。高額療養費制度、傷病手当金、障害年金などの公的サポートについても知識をつけ、本当に必要な保障を選ぶようにしましょう。現時点ではお子さんがいないため、亡くなったときに保険金が出る死亡保障の優先度は低いです。医療保障を中心に検討いただければと思います。

mirai talkはマネーフォワードから生まれた公平で安心できるお金の相談窓口です。新宿駅から徒歩約5分。本気で家計を変えたい人のための「貯まる家計養成プログラム」を提供しています。

この記事の感想を教えてください。