はじめに
株価指標は依然として高水準
投資家側も高い成長性に慣れきっているのか、これほどの好決算でも反応しないどころか、最近は四半期ごとの決算発表が近づくと上昇し、発表後に反落するという動きを繰り返しています。
それでも、これだけの成長を遂げているだけあって、一時に比べて低迷しているとはいえ、指標面で見ると株価は依然として高水準です。
PER(株価収益率)は31.51倍、(8月31日終値、会社予想ベース)、PBR(株価純資産倍率)は16.94倍(8月31日終値、2017年12月期実績ベース)。日経225銘柄平均のPERは12~13倍程度、PBRも2倍に届くかどうかという水準ですから、ペッパーフードはかなりの高水準です。
同社の株を1単元(100株)買うのに38万円かかります(8月31日終値ベース)。配当予想は今のところ30円ですが、配当性向を計算すると24.8%。過去3年の実績を見る限り、配当性向は3割以上なので、たとえば35%として計算すると、配当利回りは1.09%です。
個人投資家の判断ポイントは?
株主優待はどうでしょうか。優待はグループ店舗で使用可能な500円券6枚セットと、自社商品の詰め合わせから選べます。3,000円相当の優待ですが、3単元(300株)以上持っていないと対象になりません。
3単元買うには114万6,000円が必要となります(同)。この時点で個人にとっては高いハードルです。さらに優待を含めても、実質利回りは1.36%にしかなりません。
「いきなり!」の高成長によって一気に人気化したものの、株価水準的にはかなりの過熱感があったと考えられます。そこに下期計画のハードルの高さが認識されるようになったことで、株価の下落に拍車がかかった、と見るのが自然なように思われます。
個人投資家の場合、「その会社を応援する」ために株を買うという行動様式もアリですが、キャピタルゲインを狙うとすると、どこまでこの会社の成長を信じられるかどうかが判断の分かれ目になるのではないでしょうか。