例年は2月のバレンタイン時に需要のピークを迎える、チョコレート市場。しかし、今年の夏はチョコレートかき氷やチョコミントブームが後押しし、楽天市場でも7月のチョコレート関連商品の売り上げが好調でした。この背景にあるのは、ここ数年のさまざまな技術進化と健康志向です。

そして、この技術進化がハロウィーン、クリスマス、そして来年のバレンタインデーにも大きな影響を及ぼすと予想しています。いったいどんな進化が起きていて、それがどんなトレンドを生み出そうとしているのか、解説します。


「ファッション化」するバレンタイン

来年のバレンタインデーは、バレンタインの「ファッション化」が進むと見ています。ファッション化とは“自己表現”を意味しています。

今年のトレンドの1つに、クリアバッグやクリアペンケースの流行がありました。あえて中身を見せて、個性を出しながら自己表現をするというもので、身近なものでの「ショーケース化現象」が起きていました。

では、来年のバレンタインでは、どんな形で自己表現がなされるのでしょうか。

1つが、ショコラ散策などのデートです。デートでは、それぞれのプランなど個性を表現できます。銀座や六本木を中心に増えているショコラトリーに、恋人や家族、友人たちと一緒にチョコレートを探しに行くデートが増えるのではないでしょうか。そして、デートにはもう1つ、最新のトレンドが隠れています。

最新の消費トレンドは、アイテムをどう使うか、どう生かしていくか、どう楽しむかという「感動消費」がキーワードになっています。大切な人とのデートを通じて、思い出を作りながらバレンタインを楽しむという形が流行すると見ています。

この「感動消費」は、家族間で行われるバレンタインにも変化を与え、今後はイベント性のある消費行動が増えると考えています。一緒に何かを共有したり、感動したり、交換したりすることに価値を見出しているのです。

チョコはコミュニケーションツールに

今年のハロウィーンでは、お菓子を交換するといった、ハロウィーンの「バレンタイン化」が進むと見ています。すでに、今年のハロウィーンでは「個包装スイーツ」が好調です。

そうした中で、来年のバレンタインは、ママから子供にチョコをあげる「ママチョコ」のブームが起きると見ています。今までも、モテない息子のために母親がチョコをあげるということはよくありましたが、ママチョコは少し意味合いが異なります。

働き方改革によって、家族で一緒に過ごす時間が増えることで絆が深まり、子供と共有できるイベントを増やしたいという思いが、より一層強まっている傾向が見られます。これは、カードゲームが売れたり、母の日に父親がカレーを作ったり、母の日にお節料理やオードブルが売れる傾向も同じような消費行動だと思っています。

また、友人同士でチョコレートを交換しながら楽しむ「友チョコ」の進化形として、ママ友同士でチョコを食べ合う「ママ友チョコ」の動きも出てきそうです。

先ほどご紹介した「個包装スイーツ」。実は、今年ずっと好調なキーワードでもあります。普段から、ちょっとしたプチギフトなどを贈る傾向も見られています。

“あげる”という一方的な行為ではなく、“食べ合う”のは持ち寄って一緒に食べたり交換したりするイベントにすることで、おいしさや感動を共有し、コミュニケーションを円滑にできると考えるためです。今、ママ友の活動や行動が変化しています。SNS上だけではなく、リアルでのつながりを求めているのです。

新たな食材や調理方法も登場

今までにない食材や調理方法による、新たなトレンドも生まれると予測しています。

たとえば、最近ブームになっている低温調理器。低温で調理できるトレンドがある中で、チョコレートでも低温でベイクできる「ショコラテリーヌ」がヒットするのではないか、と注目しています。

ヒットが予想される「ショコラテリーヌ」

まだまだマイナーな商品ではありますが、今年2月にグーグルトレンドの検索数が前年に比べて2倍近く伸びています。有名ホテルのレシピなども公開されていることから、来シーズン話題になるのでは、と注目しています。

また、今年は高アルコールのお酒が空前のブームです。お酒の入ったチョコは、上司や夫への贈り物として、毎年人気があります。

チョコレートボンボンといえば、従来はウィスキーやブランデーが入っているものが王道でした。しかし、今年はクラフトジンに代表される国産クラフトスピリッツが人気になっています。来年のバレンタインには、そういったお酒とチョコを組み合わせたハイブリッドチョコがトレンドになると考えています。