はじめに

五感を刺激するものがトレンドに

変わったフレーバーとの組み合わせを楽しむチョコも、昨年あたりから増えてきました。たとえば、納豆や大豆、枝豆などの豆類だったり、桜エビや夏野菜、ほうじ茶など、一見するとチョコレートと相性の良くなさそうな食材との組み合わせが次々と誕生しているのです。

背景にあるのは、SNS離れです。昨年の流行語にも選ばれた「インスタ映え」、つまり視覚による消費から変化が起きています。

実際、今年流行したタピオカ、チョコミント、高アルコール、激辛、花椒(ホアジャオ)などの食材は、すべて「濃厚」「刺激」「苦味」「しびれ」「香り」といった五感を刺激する食材なのです。

こうした流れの中で、チョコレートでも異なる素材を組み合わせることがトレンドになっていくだろうと思います。その中で、納豆のように“合いそうにない”と考えられる、意外性のあるチョコレートがまだまだ出てくると予想しています。

第4のチョコレートが勢いを後押し

そして一番興味深いチョコレートのトレンドが、近年の技術進化です。これまでは、チョコレートといえば、ダーク(黒)、ホワイト(白)、ミルクの3種類だけでした。そこに今年に登場したのが、第4のチョコレートと称される「ルビーチョコレート」です。

ルビーチョコレートは、スイスのバリーカレボー社が13年の歳月をかけて開発。ブラジル、エクアドル、コートジボワール産のルビーカカオ豆を原料にしています。着色料は一切使用せずに、ルビーカカオ豆の鮮やかなピンク色を抽出することに成功。フルーティで酸味のある風味が特長です。

今年、ネスレ日本の「キットカットショコラトリー」や、ローソンの「Uchi Café」で、いち早くルビーチョコレートを使用した商品が発売になりました。これからバレンタインに向けて、他の多くの企業からも新商品が発売されていくだろうと予測しています。

第4のチョコレートと称される「ルビーチョコレート」

また昨年登場したのが、フランスのヴァローナ社がホワイトチョコレートの製作途中で偶然開発した「ブロンドチョコレート」です。ビスケットやキャラメルのような香ばしさが特長で、こちらも第4のチョコとして話題を呼んでいます。

こうした技術革新は、実は何十年間も起きていませんでした。そのため、ここ数年、チョコレート市場では同じようなトレンドが続いていました。ところが、この新登場の2つのチョコに、前述のような複数のトレンドが結びつくことで、市場が大きく活性化されると考えています。

技術革新でハロウィーンに差をつけられるか

すでに、チョコレート市場の変化の兆しが今年の夏に現れ始めています。チョコミントが大ブームになり、アイスクリームだけにとどまらず、大手菓子メーカーもこぞって新商品を発売。また、街中では「チョコかき氷」を見かける機会が増えました。

高温でも溶けにくいチョコや、夏でもさっぱり食べられるチョコの開発なども、チョコレート消費を押し上げています。また、8月には第4のチョコレートルビーチョコレートが発売されています。チョコレートの新たなトレンドに非常に注目しています。

日本記念日協会の調査によると、2015年にハロウィーン(約1,220億円)とバレンタイン(約1,080億円)の市場規模は逆転しました。その後、バレンタインが巻き返しますが、現在は両者とも市場規模1,300億円台をキープ。いつ、ハロウィーンに抜かれてもおかしくない状況です。

こうした技術革新をテコに、バレンタイン商戦は再び往時の勢いを取り戻すことができるでしょうか。

(文:楽天市場 トレンドハンター 清水淳)

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