はじめに
良性のホクロは保険適応外
では、いったいどのようにホクロを除去するのでしょうか。クリニックによって処置はさまざまなので、ここでは銀座よしえクリニックの手順で解説します。
まず、診察して良性と判断したものは、CO2(炭酸ガス)レーザーで削り取ります。処置時間はわずか数分。痛みの感じ方は人それぞれですが、チリチリするような感覚と答える人が多いようです。
「ホクロはサイズも深さもいろいろあります。大きそう、深そうと医師が判断した場合、注射麻酔を用いることもあります」(吉田院長)。また、ホクロによっては一回で除去しきれないため、一定期間を空けて再度削ることもあるそうです。
ホクロを取ったあとは、すり傷のような状態。せっかく取ったホクロの跡をきれいに保つために気を付けたいのは、傷口の乾燥。そこで同クリニックでは湿潤療法にも用いられるハイドロコロイドを傷跡に貼り付け、乾かさないようにケアするそうです。
「ハイドロコロイドを貼っている期間は、浅いホクロで1週間、深いホクロで10日から2週間。下からきれいな皮膚が持ち上がってきたら完成です」(吉田院長)。
遺伝的にホクロができやすい人や、刺激によってできる場合など、せっかく除去したあとにまたホクロが再発しないか気になるもの。でも「ホクロが深くて取れなかったという場合を除き、基本的に同じ場所にまたホクロができることはありません」と、吉田先生。
気になる費用は、同クリニックの場合、1個5,000円から(大きさ3mmのものまで。税抜き。処置代のほかに、ハイドロコロイドなどの費用が別途かかる)。また、どのクリニックでも悪性のもの以外の除去は美容目的とみなされ、保険適応外となるそうです。
ホクロを一つ取るだけで、顔の印象がガラリと変わることも。メイクが楽しくなるだけでなく、似合う服が増えたり、表情があかるくなったりと、うれしいオマケもあるかもしれません。ぜひこの季節に、一度クリニックを訪れてみてはいかがでしょうか?
取材協力
銀座よしえクリニック大岡山院 院長 吉田浩子
1991年東邦大学医学部卒業。1997年東邦大学医学部大学院卒業、博士号取得。1999年日本形成外科学会認定医取得。1999年~東邦大学医療センター大森病院 形成外科客員講師。2011年皮膚腫瘍外科指導専門医取得。2012年医療法人社団 優恵会 大岡山院院長就任。所属学会:日本形成外科学会、日本皮膚科学会、一般社団法人 国際抗老化再生医療学会