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聖夜は株価も上昇?「サンタクロースラリー」を徹底検証

年末恒例のアノマリーを探る

クリスマスが近づくと、何となく心が弾む方も多いでしょう。夜の街中で、イルミネーションが飾り付けされていたり、どこからかクリスマスソングが聞こえてきたりすると、気分が明るくなったりします。

この時期に明るくなるのは、気持ちだけではありません。投資家にとっては、クリスマスは “株高”が見込まれる、うれしい時期でもあります。今回は、クリスマスに訪れる「サンタクロースラリー」を紹介しましょう。


アノマリーは“たまたま”なのか

株式相場にはジンクスともいうべき“クセ”があります。この連載でも、いくつか紹介してきました。その1つが、11月5日の配信記事「米中間選挙がどんな結果なら、株価は上昇しやすいか」で触れた、“中間選挙の年は株高になりにくい”というものです。

金融業界で、こうした現象は「アノマリー」と呼ばれます。アノマリーは学術用語ではありませんから、厳密な定義は存在しません。「はっきりとする理論的な根拠を持たないけど、よく当たるかもしれない経験則」とイメージしてください。

実は、投資家の間でアノマリーを使った投資はよく行われています。しかし、利用するうえでハッキリとしないまでも、さすがに「裏付けになりそうな根拠」は必要です。

株式市場では「アンラッキー7(セブン)」というアノマリーがあります。ラッキー7をもじっており、末尾に7が付く年の相場は暴落するというものです。

これに該当する2007年の日経平均株価は、1割を超えて下がりました。確かに当たっています。しかし、10年サイクルでの暴落説といっても“たまたま”のようで、2017年は2割上昇して、外れてしまいました。

では、中間選挙の年は株高になりにくいというアノマリーも“たまたま”なのでしょうか。偶然なら、将来も続くと思えません。中間選挙アノマリーには、次の理由があります。

4年の任期の間に、次の大統領選でも勝利するため、大統領選の時期に景気を好調に持っていく政策を取ろうとするマインドが政権与党側に発生します。その反動で、中間選挙までは痛みを伴う政策が採られることもあり、景気や株価が落ち込む傾向があるのです。

過去47年間で上昇したのは8割超

話をサンタクロースラリーに戻しましょう。こちらもよく知られるアノマリーです。12月24日のクリスマスイブの終値から見ると、年末まで株価が高いというジンクスです。クリスマスイブにサンタが投資家に株高をプレゼントしてくれるとの例えから、サンタクロースラリーと呼ばれます。

まずは、日経平均を使って、サンタラリーを確認してみましょう。下図は、1971年から毎年、12月24日の日経平均とその年の年末の値を比較して、騰落率を見たものです。

47年間で39回上昇しています。実に、8割を上回る確率です。サンタラリーで株高の傾向が見られることがわかります。

このサンタラリーは“たまたま”なのでしょうか。8割を上回る実績は、さすがに偶然とは考えにくいでしょう。

サンタラリーが起こるメカニズム

実は、それなりの根拠があります。クリスマスシーズンといえば、外国人投資家はお休みの期間です。12月中旬から年末までの2週間程度が休暇で、旅行などを楽しむ投資家が多いようです。

この休暇中、相場が急落するかもしれません。心配性な投資家は、休暇中に売りができないため、休暇前に株式を売ってしてしまいます。そして、クリスマスまでに、こうしたポジションの売りが一巡します。

ですからクリスマス後は、臆病な外国人投資家が弱気に反応して市場が下がるという現象は見られなくなります。これがサンタラリーの理由と考えられています。

今回、1971年から集計しましたが、サンタラリーはそれ以前から見られます。そんな昔から外国人投資家は日本市場で影響力が大きかったの?と疑問に思う方もいるでしょう。

実はサンタラリーには、もう1つ、大きな理由があります。年末にかけて、多くの投資家が新年相場に期待を高める時期になります。新年への期待が高まる時期で、相場も楽観的な反応で株高しやすくなるのです。今年も、サンタクロースラリーで年末に向けた株高が期待されます。

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