アノマリー「1月効果」を活用するなら買い場はクリスマス!?月毎の株価傾向で検証してみた
年末と2月の勝率にも注目すべき
株の“ジンクス”のことを業界では“アノマリー“と呼びます。代表的なアノマリーの1つに「冬季五輪の年の株価は上がりにくい」というものがありますが、2022年は北京で冬季五輪が開催される年です。投資家にとって、とても気になる内容です。一般にジンクスは、“たまたま”そうなっただけ、とされるものもの多いですが、アノマリーは背後に理由があるものが少なくありません。「冬季五輪の年に株価が上がりにくい」というアノマリーにも理由があります。冬季五輪の年はちょうど米国の中間選挙の年と重なります。以前、「「米大統領選後は株高」相場のジンクスは今年もあてはまるのか」でも取り上げましたが、「米大統領選の年は株高」で「中間選挙の年は株価が厳しい」という傾向があります。一般的に、就任した米大統領は、大統領は次の選挙でも再選を勝ち取るため、国民の痛みを伴うが国を良くするためにやらなければならない政策を任期の前半で行います。そして任期の後半は、多くの国民が喜ぶ景気刺激策を打ち出して、大統領選の辺りで景気が好調になるようにもっていこうとします。このため、任期の中間にあたる2年目に株価は厳しくなり、大統領選に向けて株高の
12月にケーキがお餅より売れると年明け株価は好調?年末年始の風物詩からわかる株価の行方
足元はケーキの売れ行きが好調とも聞かれるが…?
12月に売れるモノ、と言えばどんな商品をイメージしますか?例えばビール、忘年会やお歳暮の品として例年12月に需要が高まります。昨年に関して言えばコロナ禍からは年末からお正月に向けた“宅呑み”の需要もありました。以前、この連載で「株の定説「ビールが売れると株価が上がる」を検証してみた」でも取り上げましたが“季節もの”がどれだけ注目を集めるかはその時の景気に大きく左右されますし、株価の行方にも大きな影響を与えます。ビールの季節にビールが売れるのは、消費者の懐(ふところ)が潤っているからで、景気も良く株価も高くなる傾向があるのです。12月によく売れるものは他にもあります。12月といえばクリスマス“ケーキ”です。総務省統計局の家計調査から1世帯当たりのケーキ代の月別支出金額(の平均)をみると、昨年までの過去10年間で最もケーキへの支出が多い月は12月の1,365円で、第2位である3月629円の倍以上となっています。クリスマスケーキの予約は10月頃から本格的にスタートしますが、受け取り時に代金支払いとなるお店も多いことから、12月のケーキ支出金額が突出しています。そして、クリスマスが過ぎて年末年
紅葉で投資家も高揚(こうよう)?秋の深まりと株価との意外な関係
3つの観点から検証
今年の立冬(りっとう)は11月7日でした。冬の始まりを告げる立冬を過ぎると、東京都心でも紅葉や黄様が気になってくる時期です。明治神宮外苑は146本もの“いちょう”並木がもたらす“黄金ロード”が人気のスポットです。駒込の六義園は葉が紅色になる“かえで”が多く、紅葉が堪能できる名所です。黄金色に変わる“いちょう”が程よく混じって見事なグラデーションが味わえる場所です。例年の東京都心の紅(黄)葉の見頃は11月下旬頃からですが、この葉の色づき、株価と3つの意外な関係があるのです。今回は紅(黄)葉と株価についての検証結果を紹介します。
“木枯らし1号”は株式市場も冷やす?北風と株価の気になる関係
木枯らし1号が早い・遅いで影響は?
10月23日に近畿地方で“木枯らし1号”が吹きました。木枯らし1号は秋から冬へと季節の移り変わる時期に、西高東低の冬型気圧配置となって初めて吹く強い北よりの風のことです。近畿地方では、統計が残る1955年以降で最も早い木枯らし1号とのことで、例年よりも早い冬の訪れになります。東京地方でも、そろそろ木枯らし1号の予想が高まっています。この木枯らし1号、実は株価と意外な関係があるのです。今回は木枯らし1号と株価について紹介します。
「岸田ショック」で始まる10月株式相場、今後はどうなる?過去の連続下落後を検証してみた
過去8日続落後の株式相場を120日後まで検証
10月6日にかけて日経平均株価は8日間の連続安となりました。8日続落は2009年7月13日までの9日続落以来の12年3カ月ぶりです。菅義偉前首相が総裁選に立候補しないことを表明した際には、日経平均株価は9月8日にかけて8日連騰しました。新政権の経済対策期待などから3万円台を回復していました。しかし新たに誕生した岸田内閣の支持率が低調で期待先行で上昇してきた相場が一巡したなか、米国債がデフォルトする懸念などの悪材料も加わったことが10月月初の相場急落の背景です。米議会上院が連邦政府債務の上限を拡大する法案を可決したことで、米国債のデフォルトリスクがひとまず回避の見通しから、足元の日経平均株価は反発、8日は2万8000円台を回復しました。しかし株価が再び上昇トレンドとなるかは、不透明との見方が強まっています。そこで今回は過去の株価連続下落後の相場は実際どうであったかを調べて見ました。
日経平均3万円突破は外国人投資家の動きが主因?株式売買傾向と“その後”を検証
新総理、新内閣の経済対策に期待
9月14日の日経平均株価は3万670円となり、1990年8月以来、31年1カ月ぶりの高値となりました。菅総理の自民党総裁選への立候補断念を受けて、次の新総裁、新内閣への期待が市場で高まったことが主要な理由と見られています。なかでも、外国人投資家が新内閣の経済対策を期待して日本株の買い越し姿勢を強めたことが、相場上昇の原動力でした。今回は“株価の上昇”にとても重要な役割を担っている外国人投資家を取りあげます。
ジメジメした天気は株価にも影響?湿度と不快指数で秋の株式相場を予測する
秋雨前線に台風…秋晴れにはまだ遠く
秋の長雨の季節になりました。夏の猛暑を引き起こした太平洋高気圧の勢力が弱まる一方、大陸にある冷たい高気圧の勢力が強まって、2つの勢力の境目にできた秋雨前線が日本列島に停滞します。これが秋雨の原因になります。前線が弱まる10月半ばの“秋晴れ“の頃までは、台風の上陸の時期とも重なり”ぐずついた天気“になりがちです。そんな天候と株式市場の間には深い関係があることは、以前から、この連載でも取り上げてきました。「梅雨入りが早いと株式市場は上がる?下がる?統計から見えた意外な結果”」では、梅雨入りが早い年の6月相場は株価が安くなる傾向にあることを紹介しました。梅雨入りが早ければそれだけ、6月は雨模様の天気の日が増えます。 “雨の日には株価が下がりやすい”という統計結果が出ているのです。このような天気と株価の関係は行動経済学という学問で裏付けられています。行動経済学を平たく言うと、人間の行動はその時の気分に左右されるため、株式を買ったりする投資も気分の影響を受けてしまうということです。雨の日には投資家が憂鬱な気分になり株式市場で悲観的な見方が強まるため、株安につながりやすいということです。今回は雨と
内閣支持率は低迷、衆院選にむけて株価はどうなる?過去13回の解散総選挙時の株価推移を調べてみた
衆院選に関係する株価のジンクス
菅義偉首相が9月前半にも衆議院の解散に踏み切るのではとの見方が強まっています。一方でNHKが8月10日に発表した世論調査によると内閣支持率は29%で、菅内閣発足以来最低を更新しています。今回は、衆院選に関係する株価のジンクス(法則)から株式相場の行方を探ってみました。
企業のライフサイクルから“伸びる企業”を見つける方法
創業期と成長期の企業を見つけることが大切なワケ
「人生100年時代」を迎えて、私たちはリタイア後に充実した人生を送っていけるかが大きなテーマとなっています。その解決策に“人間とは誕生から死まで生涯をかけて発達する存在である”という生涯発達に関する理論が注目されています。平たく言えば、ヒトが衰えてゆくことに価値を見つけて衰退もむしろ発達ととらえようという考え方です。代表的な理論に米国の発達心理学者として知られるエリクソンが唱えるライフサイクル論があります。人間の生涯を乳児期、幼児前期、遊戯期、学童期、青年期、初期成人期、壮年期、老年期の8つの段階に分類して、それぞれのステージでヒトはどのような特徴を持って、どのような課題に向けた行動をしていけば、次のステージに向けて有意義で幸福な生活ができるというものです。少々、前置きが長くなってしまいました。今回、取り上げたいのはヒトではなく会社のライフサイクルについてです。ヒトと同じように企業の評価をする上でライフサイクルは重要です。株式投資先の銘柄選別に企業のライフサイクル(誕生から衰退までの過程)をどのように活用したらよいのか、検証してみました。
過去16回の五輪メダル数で検証、金メダル数と株価の強い関係
東京五輪開幕目前
7月23日の五輪開会式まで間近となりました。一時、今回の五輪では日本代表に“金メダル30個”が目標と言われるほど期待がかけられていました。コロナ禍が未だ収束されず五輪開催の賛否も議論される環境で、精神的な負担も大きい選手の方々に行き過ぎた期待は禁物でしょう。とはいえ、地元で行う五輪です。メダルへの期待はどうしても高まってしまいます。この日本代表の金メダル数、実は五輪期間の我が国の株価との間に意外な強い関係があるのです。今回は金メダル数と株価の関係を紹介しましょう。まずは結果を見てみます。
過去の夏季五輪期間中に開催国の株価はどのように推移していたのか
開催期間中と開催前1か月間の株価をチェック
今年の東京五輪開催には依然として様々な議論がありますが、開会式が予定される7月23日まで1か月余りです。閉会式となる8月8日までのおよそ2週間が、今のところ五輪開催期間とされています。そこで今回、これまでの夏季五輪期間で開催国の株価がどのような推移となったか確認してみました。<写真:つのだよしお/アフロ>
梅雨入りが早いと株式市場は上がる?下がる?統計から見えた意外な結果
6月と7月では傾向が異なる
5月16日に近畿地方、東海地方が梅雨入りの発表がありました。近畿地方は統計史上最も早い梅雨入り、東海も史上2番目に早い梅雨入りです。梅雨入りの順番は、西日本から東に向かっていくので、次は関東甲信地方の番です。ところで“梅雨と株式市場に深い関係がある”というと意外と思われるかもしれません。しかし以前、この連載で「梅雨の雨量と株価の間に存在した“かなり繊細な関係”」を取り上げました。詳しくはその記事を読んでもらいたいのですが、“梅雨の時期でも、降水量が少ないと株価が高い”ことを紹介しています。実は、雨の日に株価が下がりやすいという関係は行動経済学という学問で裏付けられています。行動経済学を平たく言うと、人間の行動はその時の気分に左右されるため、株式を買ったりする投資も気分の影響を受けてしまうということです。雨の日には投資家が憂鬱な気分になりがちで、株式市場で悲観的な見方が強まります。ですから梅雨の時期に雨量が多ければ株安につながりやすいということです。では今回はもう1つの梅雨と株価の関係を取り上げてみます。梅雨入りの早さは株価とどのような関係があるのか、というお話です。まずは、分析結果から
今後は「逆張り投資」?それとも「モメンタム投資」?
業績予想の修正が示唆する方向は
株価が大きく下げた会社の株を買う投資方法を「逆張り(ぎゃくばり)投資」と言います。例えば、日経平均株価に採用される225銘柄のように、日々の出来高がある程度は確保されているような銘柄のうち、前の週に下落が大きかった銘柄に投資するといったやり方です。前の週という短期間ではなく、もっと長い期間をみて年間下落率ランキングの大きい銘柄に注目するといったやり方もあります。とても単純な戦略ですが、伝統的に効果的な戦略として良く知られるものです。しかし近年は、これとは真逆の戦略となる「モメンタム投資」の効果が高くなったと言われます。モメンタム投資とは、これまで株価が上昇してきた銘柄に投資するという方法です。今回はこの「逆張り投資」と「モメンタム投資」、今後はどちらが良いのかの予測を紹介しましょう。
バリュー株 vsグロース株、金利の動きで注目する投資先が変わるワケを徹底解説
コロナ禍から1年、物色は変わるのか
株式市場と金利との間には深いつながりがあります。3月3日の連載「『金利が上がると株価が下がる』はなぜ?イールドスプレッドで株価の危険水準を見極めよう」では、“金利が上がると株価が下がる“のは何故かを取り上げました。詳細はぜひ3月3日の記事を読んでいただきたいのですが、内容を短くまとめると、金利が上がるなら安全性が高い債券投資で利回りが確定できた方が良いと考える人が増えるからです。そして、金利との魅力度の関係を見るイールドスプレッドは、足元となる4月6日の日経平均株価の29,696円で計算すると4.24%であり警戒水準の4%以下にはなっていません。株式投資の魅力は引き続き高いことが分かります。今回も金利と深い関係がある株式市場についてですが、“投資先選別、つまり物色”についてのお話をしましょう。これからの投資先には“成長株投資が良いか、割安株投資が良いか”ということです。
“黄砂”は株式相場の“視界”にも影響?観測日の株価を調べてみた
3~5月は黄砂シーズン
黄砂の季節がやってきました。3月15日には中国で大規模な黄砂が発生し、中国中央気象台は、“ここ10年で最も強烈で範囲も広い黄砂”と発表しました。早速、航空便が欠航するなど、北京では交通機関への影響も見られました。黄砂とは、中国の砂漠などで強い風で巻き上げられた砂が、偏西風にのって飛んでくるものです。今回は中国内陸部にあるゴビ砂漠で強風が吹いたため、大量の砂が巻き上がったことが原因のようです。黄砂は日本まで飛来し、洗濯物が汚れたり、視界が悪くなるなど、私たちの身近な生活にも影響を及ぼします。そして、意外に思うかもしれませんが、我が国の“株価”の行方も左右するようです。今回は黄砂と株価との関係を紹介します。
「金利が上がると株価が下がる」はなぜ?イールドスプレッドで株価の危険水準を見極めよう
金利と株式それぞれの魅力を比較する尺度
2月の最終日、26日の日経平均株価は1,202円の大幅下落となり、今月5日以来の2万9,000円を下回りました。下落の主因は米国の金利高です。米10年債利回りが一時1.61%と、昨年2月以来の水準まで上昇しました。これまでの株高を支えてきた背景には超低金利があります。足元の金利が高まったことで株高要因が崩れ始めたとの懸念が強まり、株安を引き起こしました。その翌営業日となる3月1日の日経平均株価は697円高と反発しました。これは一旦高まった米国10年債利回りが1.4%台前半に再び低下したためです。金利の上昇が一服し、投資家の不安心理が後退したことが理由です。しかし、株価はなぜこのように金利の動きに過敏反応するのでしょうか。その理由を探るため、今回は「イールドスプレッド」すなわち”利回り差“を取り上げます。
日経平均株価3万円超え、今後はどうなる?過去の大台乗せ後の相場を調べてみた
相場を明るくする“ブリ”の大漁
2月15日の日経平均株価は大幅に上昇。終値は3万84円と、バブル経済期の1990年8月以来、30年半“ブリ”に3万円を突破しました。8日に日経平均株価が約30年半“ブリ”に2万9,000円台回復と聞いてまだ数日の快挙です。最近、株式市場ではこの何年“ブリ”という言葉がよく聞かれます。昔、相場を良く知る著名なエコノミストから「ブリが多いことを “ブリの大漁”と言って、投資家の気持ちを明るくさせる」と聞きました。確かに足元、緊急事態宣言のなかで自粛活動が続き、景気が良い実感はありません。株価が実態経済を表さないとバブル警戒感を不安に見る専門家もいます。しかし、ここにきての“ブリの大漁”は、将来の日本経済の回復を先行した株高と、明るい見方も期待できます。しかし、問題はこの先です。株価が台替わりした後の相場はどうなるのでしょうか。今回の3万円大台突破のように、過去の大台替わり後の相場が果たしてどのようになったかを調べてみました。
“春一番”は株式市場にどんな風を吹かせるのか
行動経済学で説明できる“2つの傾向“
2月3日の立春を過ぎると、暖かい日も少しづつ増えて来ます。まだ北風で寒い日もありますが、関東地方では近日中に“春一番”が吹くとの天気予報も聞かれています。毎年、春一番が吹くと、本格的な春の訪れが感じられるようになります。気候と株価の間に強い結びつきがあることはご存じでしょうか。近年、注目されている「行動経済学」がそのゆえんです。2017年にシカゴ大学の行動経済学の権威、リチャード・セイラー教授がノーベル経済学賞を受賞したことで、さらに大きな注目を浴びています。平たく言うと、人間の行動はその時の気分に左右されます。ですので、株式を買ったりする投資も気分の影響を受けてしまうということです。以前の連載「梅雨の雨量と株価の間に存在した“かなり繊細な関係”」で紹介しましたが、「晴れの日の株価は高く、曇りの日の株価は安い」という実証結果が日本ファイナンス学会で発表されました。“天気が良い時は、人々の気持ちが前向きになるため、楽天的な姿勢で投資しがちになり、買い先行になる”ことが理由とされています。では、“春一番”と株価の関係にはどのようなものがあるのでしょうか。