はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナー(FP)が答えるFPの相談シリーズ。今回は読者の家計の悩みについて、プロのFPとして活躍する野瀬大樹(のせ・ひろき)氏がお答えします。

私の妻が、まつ毛エクステの店舗を出店します。返済型の融資制度、または返済しなくてもよい助成金の制度があるというお話を聞いたのですが。 そのようなお話はあるのでしょうか?
現在、店舗の契約はしておりませんが、場所は決まっています。所在地は、栃木県宇都宮市です。 アドバイス、よろしくお願いします。
(40代前半 既婚・子供2人 男性)


宇都宮市の助成金について

野瀬: 宇都宮市で助成金……と言いましても、多種多様なものがありますので、一概に「これ!」が質問者の方におすすめです、とは断言しにくいですね。ただ、いい機会なので、該当しそうな助成金項目を確認してみましょう。

奥様が新しく起業されるとの前提ですから、従業員なしの場合で適用可能な助成金をピックアップしてみました。

返済不要なもの

(1)UJIターン起業促進補助金

一時期流行った地域活性化のための補助金で、宇都宮市に転居して新たに起業される方向けの助成金です。転居して1年以内の方でもかまいません。

法人の設立費用や、家賃、店舗の取得費用に補助金が出ます。返済不要なので積極的に利用するとよいでしょう。

もちろん行政側としては将来の法人税収入や、雇用の促進が狙いですのでこのあたりを積極的にアピールした申請書を作るとよいでしょう。

(2)中心商業地新規出店促進事業補助金

商工会議所が主体となって行っている補助金です。全国に似たような補助金制度があります。これも地域活性化を目的としており、自治体が指定するエリアに新しいお店を出店すると補助金が受けられる制度です。

経営財務診断費や内外装改造費などが対象となります。店舗改装費については開業後5年内であればOKなので、この点お忘れなきよう注意が必要です。

どちらも、地域活性化を目的としているため返済不要となっている非常に有用な制度です。忘れているばかりに制度の適用を受けていない方は全国にたくさんいらっしゃるので、チェックしてみてください。

返済必要なもの

(3)新創業融資制度

少し厳しい条件はつくものの「無担保」で融資が受けられる制度です。運営側も日本政策金融公庫なので安心です。

限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)ですので、エクステのお店を始めるには十分かなと思います。こちらも雇用の創出を前面に押し出すと比較的審査が通りやすくなります。

(4)女性、若者/シニア起業家支援資金

これも日本政策金融公庫の融資です。

私は個人的にこれは男性差別じゃないかと思うのですが(笑)、女性、若者、高齢者が起業する際に利用できる融資です。女性であれば何歳であっても利用できるので試してみる価値はあるでしょう。

限度額は7,200万円と大きいですが、エクステのお店だとそこまで大きな融資は引き出せないです。

(5)街づくり活性化創業資金

これは宇都宮市が主体となっている創業補助です。いくつかの要件はありますが、1,000万円まで融資を受けることができます。

このあたりが有名な補助金や融資です。細かな条件は違いますが、地方都市にはどこにもほぼ同じような補助金や融資制度があるので、市役所や商工会議所の窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。意外と言うと失礼ですが、私の経験でも自治体や商工会議所の窓口の方は、みなさんとても親切ですよ(笑)。

実際にどのようなかたちで進めるのか

これらすべてにおいて、当然ですが申請書が必要になります。そして正直申請書の作成は素人には難しいと思います。

ある程度の会計知識が必要なので、宇都宮の地元税理士さんにお願いするのがよいでしょう。こういう自治体や商工会議所の制度については地元である程度の経験がある税理士さんが一番詳しいからです。

また最近はこういった補助金や融資の獲得に力を入れている事務所が多いので、税理士さんを探すのはそれほど難しくないでしょう。

質問者の方の場合は、(2)と(4)あたりを組み合わせるのが現実的なラインになるのではないでしょうか。エクステのお店である以上、ある程度にぎやかな人通りの多い地域での出店になるでしょうし、また女性であることを最大限活かして女性を対象としている融資を受けるのがよいと思われるからです。

まだまだ「女性で起業」する方は少ないので、日本政策金融公庫としても予算は余っていることが予想されます。ただ、これは問題がある偏見なのですが、女性が前面に出ると「本当に経営がわかっているのか」という態度で向こうがくることも少なくありませんので、事前に税理士さんと相談して、しっかりした事業計画書を作り入念に準備して臨むとよいでしょう。

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