はじめに

前回の記事では投資信託について勉強しましたが、今回は株式投資の基本を学んでいきましょう。株式投資というと危険というイメージを持つ方もいるかもしれません。

確かに、株式投資は時として大きな損失を出す可能性もあります。誰にも将来は正確に予測できませんから、どれだけ勉強して、しっかり調査をしたとしても必ず儲かるわけでもありませんし、損失を回避できるわけでもありません。

ただし、何も考えずに投資をするのは、これまでの連載でも書いた通り、もはや投機でしかなく、しっかりと資産運用の為の投資をするためには、やはり基本をしっかりと学ぶことが重要だと思います。


株式投資の基本は安く買って、高く売れ

株式投資は学び始めるとさまざまな勉強をしていく必要があるため、難しい印象を持つかもしれませんが、基本はシンプルで「安く売って、高く売れ」ということです。しかし、何をもって安いとするのか。いくらだと高いのか。この判断が非常に難しくなってきます。

例えば、自動販売機で売っているジュースを考えてみましょう。だいたい1本150円前後の値段だと思いますが、これが50円で売られていれば安いと感じ、1,000円で売られていれば高いと感じるでしょう。

しかし、3,600社以上も上場している企業があるなかで、それぞれの株価をパっと見て、ジュースの例の様に、この企業の株価は安い、あの企業の株価は高いなどと、即座に判断することはできないですよね。そこで、重要になってくるのが、企業の業績や、その企業が属している産業全体の環境などになってきます。

企業の業績を分析するためには、損益計算書や貸借対照表など、企業が四半期毎に発表する財務諸表を読む能力を付けなくてはいけませんし、その企業が属する産業全体の分析をしようとすると、それなりの業界知識が必要となります。

また、財務諸表を分析しても、それは既に過去のデータを分析しているだけに過ぎず、より重要なのはその企業の業績が将来的に向上していくかどうかの予測も必要になってきます。そうなると、ただ財務諸表が読めるだけでは十分ではなく、手元にあるデータや情報を基に将来を予測する能力も求められるのです。

株式投資は美人投票

株式投資で注意しなくてはいけないのは、『雇用・利子および貨幣の一般理論』の著者としても知られる経済学者のジョン・メイナード・ケインズの言葉を借りれば、「株式投資は美人投票と同じ」ということです。

美人投票とは100人の女性の中から、美人だと思う人に投票してもらい、一番票を集めた女性に投票をした人が景品をもらえます。このゲームのポイントは、自分の好みである女性に投票をするのではなく、みんなが投票しそうな女性に投票することです。

この行動が株式投資と同じであると言っています。つまり、色々な分析をした結果、「この企業の株価は安すぎる。いま買っておけば絶対に上がるぞ」と思っていても、周りの投資家達も同じ考えにならない限りは、その企業の株価はずっと安いままになってしまいます。自分が安いと思うかどうかではなく、周りの投資家が安いと思い、いずれ買いあがっていきそうな企業の株式を発見しようということです。

少し話はズレてしまいますが、株価は「株式の価格」を意味します。価格はどうのようにして決まるのか。経済学的に言えば、需要と供給が一致する点で決まります。つまり、今の値段で買いたい人が多く、今の値段では売りたい人が少なければ、どんどん価格は上昇していきます。その逆もまた然りです。以上のことを踏まえながら、現在の株価が安いのか、高いのかを分析して判断していくのです。

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