はじめに
ラグビー観戦客は富裕層が多い?
ラグビーW杯の海外からの観戦客には比較的、富裕層が多いとみられるのも特徴の1つとされています。観光庁がまとめた2017年の「訪日外国人の消費動向」という報告書によると、宿泊料金、飲食費、買い物代などの旅行支出の額は1人当たり平均15万3,921円でした。
このうち、イギリス、オーストラリアというラグビー人気国からの観光客の支出額を見ると、イギリスが21万5,392円で、オーストラリアは22万5,845円。いずれも全体の平均を上回っています。
ラグビーワールドカップ2019組織委員会に話を聞くと、「イングランド戦の入場チケットは地元からの観戦客の購入で販売が好調」といいます。東京五輪・パラリンピックとは違い、会場が各地に分散しているだけに、インバウンド効果が全国へ広がる可能性もあります。
ビール関連銘柄の追い風吹くか
多くのラグビーファンに共通の傾向として頻繁に指摘されるのが、ビールの消費量の多さ。自らの体験に照らせば、ラグビー経験者も含めてファンがとにかく、ビールをよく飲むのは間違いありません。
スタジアムでの観戦時には、ゲーム開始前から飲み出すのが当たり前。飲みすぎてしまい、ゲームが始まった時には寝ていて観戦できなかったラグビー仲間もいます。
W杯の開催期間中はあちこちのバーなどで、海外からの観戦客なども加わり、ビールを傾けながらのラグビー談議に花が咲くことでしょう。ビールメーカーやバーを運営する会社などが特需の恩恵に浴する可能性もありそうです。
もっとも、「インバウンド」は訪日外国人客増を背景に株式市場で何度もハヤされてきたテーマ。相場用語でよく使われる表現の「手垢のついた」状態です。ラグビーW杯が関連株人気復活の起爆剤になるのでしょうか。