はじめに

「子どもと一緒に穏やかに暮らしていきたい」

そう思うひとり親家庭にとって住まいはとても重要ではないでしょうか。

「みんなどのようなところに暮らしているのかな」「決める時のポイントは?」ひとり親家庭が住まいを決める際におさえておきたいポイントをお伝えしたいと思います。


母子・父子世帯の住まいの状況

厚生労働省の全国ひとり親世帯等調査の結果(平成28年度) によると、母子世帯の住居状況は、賃貸住宅が約33%、本人名義の持ち家が約15%。父子世帯の住居状況は賃貸住宅が約11%、本人名義の持ち家が約49%となっています。

出典:厚生労働省「平成28年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」

離婚後のひとり親家庭の住まいの状況としては

(1)婚姻時の住まいのまま
(2)実家に戻る
(3)賃貸などに引っ越しをする
(4)家を買う

などがあります。実際には、実家との距離やお子さんの学校や仕事のこと、更に家計のことも考え支出は抑えたいなど、住まい選びの悩みは多々あると思います。

これらを踏まえ、離婚後の住まいについて、体験談も合わせてご紹介します。

賃貸は敷金・礼金と月々の家賃がポイント

母子世帯が選択する借家等の住まいの中で、一番多いのは賃貸住宅です。物件数も多く、希望の場所や間取りを選ぶことができるのがメリットです。

しかし、家賃は毎月かかるので、少しでも家計にやさしい住まいを選ぶことがポイントとなります。

1.初期費用をチェック

賃貸物件を決める際、重要視するポイントや価値観は人それぞれだと思いますが、代表的なのは家賃、立地、間取りではないでしょうか。この中で、是非チェックしていただいきたいのが初期費用です。

初期費用は、地域によって意味や名称が違うのですが、貸主に払う「礼金」「保証金」「敷引き」、物件を紹介した不動産屋に払う「仲介手数料」が代表的です。

しかし、これらの初期費用を抑えられる物件というものがあります。たとえば、公営住宅やUR賃貸、更に民間賃貸住宅でも敷金・礼金ゼロ物件」があります。

2.民間賃貸住宅の「敷金・礼金ゼロ物件」は本当に安い?

敷金・礼金ゼロ物件等初期費用を抑えた住宅は魅力的です。ただ、気を付けたいのは、家賃が相場より高くなるケースがある点です。しかし、3年以上住み続ければ、礼金を支払わない場合の方がお得になるというケースもあります。

<例>
(1)礼金なし・家賃が月6万円の住宅に3年間住んだ場合
礼金0万円+家賃216万円(6万円×36か月)=216万円

(2)礼金20万円・家賃が月5.3万円の住宅に3年間住んだ場合
礼金20万円+家賃190.8万円(5.3万円×36か月)=210.8万円

となり、3年以上住むのであれば、(2)の礼金ありの方が総費用は少なくなります。敷金・礼金ゼロ物件については、礼金を支払った場合の家賃設定がないかどうかを確認してから選択しましょう。

3.入居3年後の交渉で家賃を下げる

入居3年後、大家さんとの家賃交渉に成功したひとり親家庭の方もいます。長い間同じ賃貸マンションに住んでいると、新しく入居された方の家賃の方が安い場合があります。

一般的に、築年数が古くなると家賃が安くなるからですね。

私自身の体験では、同じマンションの同じ間取りに入居した知人の家賃が自分の家賃より月5,000円も安いことを知ったことをきっかけに、大家さんと交渉をした結果、月3,000円安くなりました。

その後3年間住み続けたとすると、10万円以上の節約になります。

4.その他、知人の家やシェアハウス

他にも賃貸住宅では、シェアハウスも増えてきました。キッチンやリビング等が共用となるので、地域によりますが関東の物件で家賃月3万~5万円くらいが目安です。家賃を安く抑える方法のひとつといえます。

また、離婚時どうしても住まいの確保ができない場合は、知人などの空き部屋を借りて、落ち着いてから賃貸物件を探したという方もいます。

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