はじめに
3組に1組が離婚する時代だから、離婚を恐れて結婚に慎重になる――。終身雇用制が長く続いている日本においては、結婚も“一生もの”で、「変えることが許されない」「ある時点で決めたら動かせない」という思い込みがまだ強くあるかもしれません。
しかし、仕事も結婚も、決めた時点で永久的に変えないことがベストとは限りません。前の仕事や結婚があったからこそ、次の仕事や結婚で自分が最も輝く生活をつかむことも十分あります。当初は変えるつもりはなかったけれど、時間の経過とともに変えることが、その人の人生を大きく良くする結果になることもありえます。
実際、今や成婚した4組に1組は再婚者を含むカップル(ともに再婚、どちらかが再婚のカップル)です。「離婚=終了フラグ」ではなく、むしろ「新たな生活に向けたリスタート色が強まった」と考えるべきだと、本連載の過去記事でも解説しています。
仕事もそうですが、結婚もその“土地柄”があります。今回は、離婚という人生のリスタートにおける「3組に1組」という発生状況について、もう少し詳しく、エリア別にその現状をみてみたいと思います。
最も多いエリアは5組に2組以上が離婚
厚生労働省「人口動態統計」2016年の確定値にある日本の婚姻総数は62万0,531件でした。一方、同年の離婚総数は21万6,798件です。同じ年に役所に提出された婚姻届に対して、どれくらいの数の離婚届が出されているのか計算してみると、21.6万÷62.1万で34.9%となります。
この婚姻届に対する離婚届の提出割合からみると、タイムラグの問題はあるものの、確かに3組に1組程度が離婚していることになります。
しかし、これはあくまでも全国平均の割合です。冒頭でも触れましたが、日本がいくら島国で単一民族的な人口構成であるからといって、47都道府県が一律で離婚割合が同じとは限らないかもしれません。
そこで、都道府県別の割合を見てみましょう。沖縄県と和歌山県がほぼ同率、小数点以下を四捨五入すると約44%で並んでいます。宮崎県、北海道、青森県、高知県も4割を超える離婚化状況です。
離婚率が4割として、それを「4割以上も離婚するエリアなのか」と考えるのか、「4割以上離婚可能なエリアなのか」と考えるのか、単独データだけでは正解は求められません。
ただ1ついえることは、周囲で年間に5組に2組以上が離婚しているため、離婚しなければならない状況(DVや借金、酒乱、性格の決定的不一致など)に万が一なったとしても、離婚自体が目立たない、離婚に踏み切りやすい、離婚について詳細に相談可能な体験者が多めである、ということはいえます。
広域エリア傾向としては20エリア中、12エリアが西日本ですので、西日本のほうが「離婚が多いエリアである」ということもいえるでしょう。