子育て

外国籍の子どもを「日本国籍の我が子」にするまでの道のり

家裁審判から日本国籍を取得するまでの手続き:連載第7回

連載第6回では、高原芳樹さん、マリさん夫妻(現在ともに42歳、仮名)のケースを通じ、外国籍の子どもとの特別養子縁組の実情を紹介しました。

それでは、外国籍の子どもを特別養子縁組で迎える場合の手続きは、日本国籍の子どもを迎える場合と、どのような点が違うのでしょうか。また手続きで気をつけるべき点はあるのでしょうか。

第7回では、日本国籍取得までの複雑な手続きの流れとコツを分かりやすく解説したいと思います。


「審判確定後からが手続きの本番」

外国籍の子どもとの特別養子縁組で、外国籍のAちゃん(通称名:美花ちゃん、仮名)の親になった高原芳樹さんによれば、外国籍の子どもを特別養子縁組で迎える場合は、通常の日本国籍の子どもを迎える場合に比べると法的な書類上の手続きが、やや多くなります。

「日本国籍の子どもの場合は、家裁の審判が終わり、『特別養子縁組届』を居住の自治体に提出すれば法的な手続きはほぼ完了しますが、外国籍の子どもの場合は、実は審判確定後からが手続きの本番でした」(芳樹さん)

芳樹さんは、特別養子縁組を考え始めてからAちゃんと出会い、Aちゃんが日本国籍を得るまでの記録をブログ「特別養子縁組&パパ育休」にまとめています。本記事も、芳樹さんのブログや取材に基づき、家裁への審判申立から日本国籍を取得するまでの手続きの流れをお伝えしていきます。

外国籍の子どもを特別養子縁組する際の流れとコツ

Step1:家庭裁判所への特別養子縁組審判の申立をする

まずは、血の繋がらない子どもを我が子として迎えるためには、家庭裁判所に特別養子縁組審判の申立を行います。申立が認められ、生みの親からの不服申立がない場合は「確定証明書」が発行されます。

この証明書の発行を以て、子どもは法律上の正式な「我が子」となります。生みの親との法的な親子関係はなくなり、養親の戸籍には「長男」「長女」などの実子として記載されます。ここまでは、日本国籍の子どもを迎える場合と同様です。

Step2:居住の市区町村に「特別養子縁組届」の届け出をする

家裁で審判が確定したら、「確定証明書」を持って、居住地の市区町村の戸籍関係の窓口に「特別養子縁組届」を届け出ます。

特別養子縁組届には、出生届などの戸籍関連書類を添付する必要がありますが、出生届がない場合は児童相談所等を通して子どもの出生届受理証明書をもらい、それを添付します。

このとき、ついでに子どもの健康保険証や扶養の申請に必要となる書類「特別養子縁組届受理証明書」を発行してもらいましょう。受け取った受理証明書は勤務先に提出し、子どもの健康保険証と扶養登録の申請を行います。

「特に健康保険証がないと不安ですので、早めに会社に提出したほうがいいと思います」(芳樹さん)。ちなみにAちゃんの場合は、健康保険証を使って学資保険に入ることもできたそうです。

Step3:子どもの在留資格を「日本人の配偶者等」に変更する

外国籍の我が子が日本で安定した暮らしを送るためには、帰化の手続きを踏んで日本国籍を取得することが必要になります。ただしその際は、観光ビザ(短期滞在)などの不安定な在留資格ではなく、正規の中期滞在資格を経て住民登録がなされていなければなりません。

外国籍の子どもとの特別養子縁組では、子どもの在留資格を「日本人の配偶者等」に変更するのが基本です。「不安定なビザだと、子どもの生活保障も不安定なままになってしまいます」(芳樹さん)。

手続きには、どのような書類が必要になるのでしょうか。芳樹さんによれば、「日本の配偶者等」の変更には、以下が必要だったそうです。

「日本の配偶者等」へ変更の際に必要な書類
・在留資格変更申請書・身元保証書(入国管理局のウェブサイトからダウンロード)
・戸籍謄本(縁組した子どもの名前が入ったもの)
・住民票(子どもの名前なし)
・扶養者の収入確証(住民税の課税証明・納税証明)
・扶養者の勤務証明書(勤務先に発行してもらう。様式自由)
・審判書謄本・確定証明書(※在留資格変更申請と帰化申請を見越して家庭裁判所から3部もらっておく)

認可には通常2か月ほどかかるそうですが、芳樹さんは「健康保険証などの発行のために早めにお願いできませんか?」と依頼したところ、1か月半に短縮されたそうです。

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