はじめに

先日、わが家では息子のおこづかいの値上げの話し合いが行われました。

息子は4月から大学生になります。姉の大学生時代のおこづかいは月額1万円。1、2年生の時には大学の課題が多くてバイトをする時間がなく、ようやくできたのが3年生からでした。それまでは、月のおこづかいだけでやりくりをしていました。

私が現在原稿を書いている3月時点では、4月からの息子のおこづかいはまだ未確定のまま。4月は目前…息子からの値上げのプレゼンを真摯に受けとめたいと思っています。

わが家の事はさておき、皆さんの家庭では、子どものおこづかいが足りているのか、普段から気にしてあげていますか?子どもから親に訴えてくれるならいいのですが、なかには我慢してしまう子どももいます。

子どもの進級を機会に、おこづかいの範囲が適切であるか、親子で話してみませんか。


値上げが必要になるケース

日々の子育てのなかで子どもの成長には目を見張るものがあります。出来なかったことがいつの間にかできるようになり、自転車や交通機関を使って移動する範囲もどんどん広がっていきます。

小学校中学年でも、自転車に乗ってはいろんな所に飛んでいきます。小学校高学年では、塾通いが増えてくるので交通機関の利用に慣れてくる頃でもあります。中高生にもなれば尚更で、塾以外にも、買い物や遊びに行く機会も増えてきて、交通機関を日常的に使うようになります。

わが家では、おこづかいの範囲をあらかじめ決めており、自分の都合による交通費はおこづかいの範囲に含めています。たとえば、息子は高校生になると、通学定期券とおこづかいを使って、趣味を楽しむための外出をするようになりました。

交通費を子どものおこづかいの範囲に入れている場合は、子どもの行動範囲が広がっていくにつれて、子どものサイフの事情はきつくなっていきます。お昼代でもらったお金を節約して交通費に回そうなんて思いつきも考えられなくもありません。

日頃から、毎月のおこづかいの"使い道"の話しを聞いておくと、子どもの行動に変化が出た時に、状況を掴みやすくなります。たとえば、おこづかいの値上げを検討しておきたいケースは次のものです。

おこづかいの値上げを検討したいケース
・買い物に出る機会が増えた
・おこづかいの範囲以外に、別の物を買ってあげる機会が増えた
・交通機関を利用できるようになった
・新しい趣味ができた
・「お金がない」「おこづかいが足りない」とこぼす

これら以外にも原因はあると思いますので、普段から子どもとのコミュニケーションを取りつつ、おこづかいは当初の使い道どおりに使っているのか、または、買うものを別の物に変えたのかなど、消費行動を見守ってみてください。

大人もそうですが、ずっと同じものを買い続けることは考えられません。これまで買っていたものをやめて、別に買いたい物が出てくるのは自然なことです。この現象も子どもの成長の表れだと言えます。

おこづかいの値上げは年度初めでなくても良いのですが、進級という区切りに「おこづかい、足りてる?」などと、おこづかいの話をあらためて親子でしてみてはどうでしょうか。

値上げの理由はしっかり"聴く"

子どもなりにサイフの財務状況が厳しくなれば、おこづかいの値上げには必死です。闇雲に、値上げを言ってくるわけではないのでしたら、まずは、子どもの話しに耳を傾けてみませんか。これが、子どもから親に向けての「値上げのプレゼン」です。

プレゼンから聴きたいこと
・現状とその背景
・問題点と分析
・継続性

このように、「今どうなの?」「それでどこが問題なの?」「原因は?」「値上げした後は?」というふうに、子どもがどもってしまった時は、助け舟を出してあげてもいいでしょう。

買いたい物が変わって、その値段が高くて今のおこづかいの範囲ではやりくりができないのでしたら、「なぜそれが欲しいのか」の理由をたずねてください。新しい分野へ興味を持ったのかもしれませんよね。それこそ、将来への仕事につながるヒントになり得るのです。このぐらい親は貪欲になっていいと思います。

プレゼンは大の大人でも、緊張するものです。親に向けてプレゼンすることで、失敗してもいいし、何度もチャレンジできます。仕事ではこうはいきませんが。

たとえおこづかいの値上げが希望どおりならなくても、自分の話を真剣に聴いてくれることで、親への信頼も得られますし、子どもにも自分の考えや意見を伝えることができる自信が生まれます。そのなかで、子どもなりに「自分の考えや主張を100%受け入れてはくれないこともある」という現実も理解していきます。

わが家の値上げの経緯は、小学生1,000円→中学生2,000円→高校生5,000円→大学生1万円というように時系列にするとほぼ倍になっています。こまごまな途中の値上げもありましたので、その時々に対応してきています。

値上げのプレゼンは、上手くは出来ないかもしれません。また、見当違いな金額を交渉してくるかもしれません。そう思っても、頭から否定をすることはしないで、まずは全てを聴き入れてあげましょう。そのあとで、親としての考えを「私はこう思うけど、どうかな」と、キャッチボールの球をまた子どもに投げてください。

結局、何を話してもダメなんて、子どもに思われてしまったら、それこそ、親子の信頼に溝ができてしまいます。

さて、わが家も息子と最終プレゼンに進みたいと思います。1年経った成長ぶりをみることにします。皆さんのご家庭でおこづかいをあげていれば、そのおこづかいについて、親子で話し合う機会をつくり、さらに値上げのチャンスを提案してみるのはどうでしょうか。

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