はじめに

新年度が始まり、今年もおよそ100万人の新小学校1年生が誕生しました。行動範囲が急に広がり、友達同士で行動するようになるこの時期、気をつけなくてはいけないのが交通事故です。

特に、小学校1年生は、他の学年と比べて突出して交通事故による死傷数が多く、少し学校生活に慣れてきた5月以降の休み明けに多いことが知られています。GW明けは、学校が始まる前にもう一度、一緒に通学路を確認するのがよいかもしれません。


小学校1年生の交通事故は突出して多い

警察庁の発表によると、歩行中の交通事故による死傷者数は、図表1のとおり前後の年齢と比べて7歳が多くなっています。

小学校入学前は、親と一緒に行動をすることが多かったのが、小学校入学以降、一人または友達同士で行動することが増えることによると考えられます。1年生だけでなく、低学年ほど死傷者数が多いことが特徴です。

図1 歩行中の死傷者数(人口10万人あたり、2013~2017年の平均)
図1
(資料)警察庁「児童・生徒の交通事故」2018年3月

5月と9月は要注意

月別・学年別の歩行中の死者・重症者(※)の人数をみると、4年生以上は件数も少なく、年間を通じて、おおむね同じ程度発生しているのに対し、3年生以下(特に1年生)は、5月や9月といった長い休み明けに多い傾向があります。 
(※)ケガを1か月以上の治療を要する交通事故による負傷

図表2 月別・学年別の歩行中の死者・重症者数(2014~2018年の合計)
図表2
(資料)警察庁「歩行中児童の交通事故の特徴等について」2019年3月

小学校1年生について、歩行目的別の死者・重症者の人数をみると、事故が発生するのは、私用(遊戯、訪問)が最も多いほか、登校時と比べて下校時に多いことがわかります。5月や9月に事故が増加するのも、やはり下校時です。

図表3 小学校1年生の歩行目的別死者・重症者数(2014~2018年の合計)
図表3
(注)数字は合計
(資料)警察庁「歩行中児童の交通事故の特徴等について」2019年3月

入学当初は、まだ緊張が残っているでしょうし、登校時は途中まで親が見送っていることがあると思われますが、徐々に一人で登下校をするようになります。朝は、全学年が同じ時間帯に一斉に登校するのに対して、夕方は、一人または友達同士で下校することが増えます。夕方は、薄暗く視界が悪くなることから、大人でも事故に遭うことが多い時間帯ですから、子どもにとっては危険が多いと言えるでしょう。

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