はじめに

「そろそろ結婚はしたい。でも、目の前の仕事が忙しくて、面白くて、資格取得までは……」と、結婚に向けた取り組みをなんとなく先延ばしにしているかもしれない。そんな女性を少なからず見聞きします。

結婚して子供でもできたら、結局、女性が仕事を辞めることになるのではないか。私のお母さんもそうだった、もしくは、私のお母さんは専業主婦として育ててくれたから両立は困難かもしれない――。

そうしたイメージが結婚への取り組みの先延ばしを生んでいるのだとしたら、実際にはどの程度両立、もしくは非両立が発生しているのかについてデータ確認しておく必要があるでしょう。今回は国の最新データから、子供がいる女性がどれくらい働いているのかを紹介しつつ、その実現可能性を考えたいと思います。


18歳未満の末子がいる母親の就業率は7割

今回使用するのは、厚生労働省「平成29年国民生活基礎調査」のデータです。同調査に掲載されているデータは2017年の状況になります。最初に、子供の数を問わず一番下の年齢の子供(末子)が18歳までの世帯における、親の就業状況を見てみたいと思います。

図1

1万1,734世帯への大規模調査結果になりますが、そのうちの58.7%が共働き世帯です。シングルマザー世帯を含む母親のみ働いている世帯の1,197世帯も合わせると、母親の就業率は68.9%で、8,000世帯を超えています。

一方、父親だけが働いている割合は27.8%となっています。もちろん個別の事情はありますが、母親になったからといって就業が難しい、と簡単にいえる状況ではなさそうです。

子供が小さいうちは働けない?

ただ、末子が18歳までの子供のいる世帯データとなると、末子に中学生も高校生も含まれます。ですので、子供が小さいうちは働けないのではないか、という疑問が出てきます。そこで、次に6歳未満、つまり小学校就学前の末子がいる世帯のみについて、親の就業状況を見てみたいと思います。

図2

6歳までの小さな子供がいる4,740世帯での共働き割合は53.7%でした。18歳までの子供がいる世帯の58.7%と比べると5ポイントの減少とはなりますが、子供が大きい世帯も含めた割合と比べて、そこまで大きな差が見られません。

ただ、子供が小さいうちは母親のみが働いている世帯が230世帯・4.9%(うち、ひとり親97世帯)と少なく、一方、18歳までの子供がいる世帯では1,197世帯・10.2%(うち、ひとり親682世帯)と、両者の開きが確認できます。

この影響で、子供が小さい世帯のほうの共働き世帯と母親のみ就業の世帯を合計した母親就業世帯率は58.6%となり、全体よりも10ポイント強低下します。

これは、子供が小さいために母親就業率が10ポイント低いというよりも、子供がある程度大きくなってから離婚や死別などでシングルマザーとなり、働く女性が多くなる傾向があるための影響が、その半分を占めているということになります。

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