春です。日差しが暖かく感じられ、場所によって日中は長袖を着ているのが暑いぐらいの陽気になったりします。ようやくこの季節がやってきたのです。そう、椅子を持って屋外に出かけるべき季節が……。

持ち運びやすいアウトドア用の椅子を持って外に出て、思い思いの場所に腰かけてのんびり過ごす――。このような行為を「チェアリング」といいます。


折り畳み式の椅子で「どこでも酒場」

“いいます”などと当たり前のように語ってしまいましたが、もともとは私、ライターのスズキナオと、同じくライターであり酒事情に詳しい専門家としても人気のパリッコさんとの二人で遊び半分で椅子を持って「楽しいですね!」、「これはもう立派な趣味だ。“チェアリング”ですね!」とはしゃいでいるうちにそのような名前になっていったもので、雑誌の企画等で紹介するうちに実際に試してくれる方が徐々に増えていきました。ありがたいことに、先日、『椅子さえあればどこでも酒場 チェアリング入門(ele-king books)』という書籍まで出版しました。

チェアリングをやってみるのはとても簡単。最近では、ホームセンターや大きめのスーパー等でも折り畳み式の椅子が簡単に手に入ります。軽さ、大きさ、機能等によって値段に差はありますが、一番オーソドックスな「ラウンジチェア(リゾートチェアなどと呼ばれることもあるようです)」というタイプのものなら1,000円台の前半で販売されていることが多く、その椅子さえ手に入れてしまえばもうほとんど目標達成です。

チェアリング

あとはその椅子を背負い、できるだけ広くてゆったりした場所に置く。そして座る。お好きな飲み物や簡単な食べ物を用意したり、読みかけの本でも持っていけばいくらでも時間を過ごすことができます。

好きなお酒とおつまみを用意

私はお酒が好きで普段からあちこち飲み歩いているのですが、チェアリングとお酒の相性ももちろん最高です。好きなお酒とおつまみを用意して椅子に腰をおろせば、そこは一瞬にして「やたら見晴らしのいい酒場」に。

居酒屋に行くとあれもこれもと飲み食いしたくなってしまいますが、チェアリングしながらのお酒は不思議とゆったりと、スローペースでも楽しいのが特徴です。ほろ酔い気分で外の空気を浴びていると、日頃たまったストレスがシューッと空に消えていくような気がします。

チェアリング

チェアリングをする際に注意が必要なのは、絶対に周囲に迷惑をかけないという配慮です。短い間だったとしても椅子に腰かけ、その場を借りるわけですから、通行の妨げになるような場所は絶対に避け、大勢で騒いだりせず、静かにゆったりとした時間を楽しむようにしましょう。

もちろん、ゴミを散らかしたりすることも厳禁です。チェアリングのいいところは、思い立ったらすぐ、なんの準備もせずとも楽しめる、という手軽さです。いつでも移動できるように装備も極力コンパクトにしておくのがベストでしょう。