はじめに

日本は睡眠時間が短い国として知られています。また、日本の労働時間が欧米と比べて長いことから、働きすぎが懸念され、長時間労働の是正が進んでいるほか、従業員の睡眠改善への取り組みを始めた企業もあります。

現在、「寝ても疲れがとれない」というだけで病院に行く人は少ないかもしれません。しかし、不眠は、身体のあちこちに影響を与え、生活習慣病やメンタルヘルスへの悪影響を与えます。

そこで今回は、日本の睡眠事情について男女差に着目しながら紹介します。


日本は不眠大国

OECD30ヵ国の平均睡眠時間をみると、8時間に満たない国は3ヵ国しかありません。中でも、日本人の平均睡眠時間は7時間22分と、ワースト2を大幅に下まわる最下位で、もっとも長いエストニアとは1時間半もの差があります。

【1日の平均睡眠時間】

図 1日の平均睡眠時間

45~59歳女性は7時間を切る

社会生活基本調査(2016年)で、平均睡眠時間を男女・年齢別にみると、30代前半までは男女の大きな差はなく、最低7時間程度の睡眠は確保しています。しかし、30代後半以降は男女に差が生まれ、女性、特に45~59歳の女性では7時間を切るまでに短くなっています。

【年代別平均睡眠時間】

図 年代別平均睡眠時間

諸外国をみまわせば、OECD30か国のほとんどの国で女性の方が睡眠時間が長くなっており、女性の方が短い国は6ヵ国しかありません。その中でも、日本の男女差は大きいものとなっています。

【平均睡眠時間の男女差(女性-男性)】
図 平均睡眠時間の男女差(女性-男性)

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