はじめに
高額なお金がかかるイメージがある結婚式。貯金がないなどの経済的事情や、たくさんのお金をかけてまで盛大な結婚式を挙げることに意味を感じられない……というような理由で、入籍しても結婚式を挙げない“ナシ婚”を選ぶカップルは増えているようです。
その一方で、「お金はかけたくないけれど、結婚式は挙げたい」と思っている人々から、ここ数年、注目されているのが自己負担10万円以下など、驚くような低価格での式を叶える格安結婚式サービスです。
ただ、安くすませられてうれしい反面、「その金額で本当に満足のいく結婚式が挙げられるの?」という疑問や不安を抱く人も多いと思います。
そこで今年入籍したけれど、「結婚式ってお金がかかってもったいないよね」と、ナシ婚を選ぼうとしている筆者が、持ち出し費用0円の「ゼロ婚」を手がける株式会社スキナの渡部京介さんに、格安結婚式について詳しくお話を聞いてきました。
インターネットだけに広告を絞って費用をカット
結婚式を安く挙げられたらうれしいけれど、その代わりに「ゲストを満足させられない質の悪い会場や料理になったらどうしよう」「仏滅や真夏、真冬などの不人気の日程しか選べないのかもしれない」などの心配をしているカップルは少なくないはず。
さて、実際のところ「持ち出し費用0円」で結婚式を挙げられる秘密は?
「ゼロ婚の場合は、広告費にお金をかけていないことが持ち出し費用0円にできるひとつの理由です。結婚情報誌への広告掲載やテレビCMを大々的に行った場合には億単位の費用がかかってしまうため、お客さまからその分の料金をいただかなければなりません。
ゼロ婚は、インターネット広告を中心に宣伝広告を行うことで、一組一組の結婚式費用の利益率を低くすることができています。仏滅だからとか、3ケ月以内の日程しか選べないなどの縛りは決してありません。大安の土日はもちろん、日程は1年先まで選んでいただくことができて、お客さまが満足していただけるクオリティの式を挙げていただいています」と渡部さん。
格安結婚式の仕組みをわかりやすく教えてくれた株式会社スキナの渡部さん
そのうえで、日程を気にしない人や、マタニティ婚で早々に式を挙げたい場合であれば、仏滅や3ケ月以内の空いている日取りで会場を抑えると、さらに安くなるサービスを受けられることもあるというので驚き。
自社会場を持たないので維持費が不要
自社で式場を持たずに、ホテルや神社などと提携して会場を使用していることも一組ごとの結婚式費用を抑えられているポイントだそう。
「結婚式場を建設する際には億単位の建設費がかかったり、維持運営費が必要になったりします。加えて、土日以外に式を挙げる方はなかなかいらっしゃいませんので、一組のお客さまから高い利益を確保しなければ式場が維持できなくなってしまうという話をよく聞きます。ゼロ婚では、そういった建設費や維持費がかからないため、一組のお客様から高額な利益を出さなくても成り立つようにできています」(渡部さん、以下同)
現在ゼロ婚では、東京・大阪・京都の3か所で、ホテルや神社など100を超える結婚式場と提携を結んでいるそうです。
船上ウェディングが叶う会場も
通常5~8万円かかる持ちこみ料も0円
また実は、結婚式の費用で意外とお金がかかるのが「持ちこみ料」。ドレスや引き出物など、式場と提携している以外の業者のものを使用する場合に、管理料金などという名目で加算される料金のことです。3つ目の安さの秘密は、ずばり持ちこみ料が0円だから!
「先ほどもお話ししましたが、結婚式場を作るときには億単位のお金がかかります。そのため、式場運営側は衣装、カメラ、ヘアメイクなどのブライダル関連会社と提携を結び、協賛金やテナント料をもらっていることが多いようです。それなのに、お客さまから自由に衣装を持ちこまれたとしたら、提携先の衣装屋さんには利益が出ないことになってしまいます。
そこで、万が一持ちこまれるときでも、利益を確保できるように支払ってもらうのが持ちこみ料だと言われています。例えば、ドレスをひとつ持ちこむことで、5~10万円ほどかかる式場もあると言われています。ゼロ婚では提携業者がたくさんありますが、それによる協賛金も提携料もないため、提携業者の利益確保のために、お客様からの持ちこみを禁止したり、持ちこみ料金をいただいたりはしていません」
このシステムによって、ゼロ婚と提携しているブライダルアイテム関連会社には競争意識が生まれ、クオリティが高いものを適正価格で選べるようにと各社協力してくれているそうです。