はじめに

東京メトロでは年2回、夏季と秋季に事前応募制の車両基地イベントを開催しています。このうち綾瀬車両基地は秋季に開催していますが、夏季は別の車両基地です。

2019年夏季は子供に楽しんでもらうことを目的に、ファミリー限定とした「Family Train Festival! in 新木場」と銘打ち、新木場車両基地で開催されました。今回はどんな工夫がこらされていたのか、その全容を紹介します。


車両基地イベントを事前応募にした事情

本題に入る前に、東京メトロの車両基地イベントについて振り返ってみます。

同社は2004年4月1日に営団地下鉄の民営化によって発足。当初、車両基地イベントは誰でも参加することができました。

しかし、2010年11月28日に綾瀬車両基地で開催された「スマイルフェスタ」で、ルーキー16000系の展示が大きな話題となったのか、前年12月5日開催時の約7,500人を大きく上回る約2万5,000人が来場しました。

車両基地イベントで来場者2万人超は、全国的にきわめてまれです。これが契機となり、2011年以降の車両基地イベントは、事前応募による定員制に変更されました。

撮影会場に古参車両がそろい踏み

話を今年のイベントに戻しましょう。新木場車両基地でイベントが開催されるのは、2015年以来4年ぶり3回目となります。

新木場車両基地は敷地内に和光検車区新木場分室(車庫)、新木場CR(工場)、総合研修訓練センターを構えており、玄関はそれぞれ異なります。今回のイベントでは、和光検車区新木場分室を出入口に設定し、第1会場は訓練線のセンター東駅側、第2会場は訓練線のセンター西駅側で開催されました。

第1会場の目玉は、車両撮影会でしょう。9番線に有楽町線・副都心線用の7000系10両車、10番線には引退した千代田線6000系がそろい踏み。6000系は綾瀬車両基地のスペースの関係で、新木場車両基地に移り、静かな日々を過ごしています。

東京メトロによると、「6000系に似合う車両といったら、兄弟、姉妹的存在の7000系が似合うということで、7000系に指定させていただきました」ということです。

ヘッドマーク
1号車(左)と10号車のヘッドマーク

6000系の先頭車1・10号車には、「ありがとう平成」のヘッドマークが掲出されています。6000系のイラストをよく見ると、1号車は東京メトロのシンボルマークであるのに対し、10号車は営団地下鉄のロゴマークで、引退時の姿が忠実に描かれています。

7000系は東京メトロの現役最古参車両で、副都心線の開業に伴い10両車と8両車に分かれました。今後、新型車両17000系に置き換えられる予定です。

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