はじめに

熱く盛り上がる株主総会も

今度は満足度の高い株主総会をのぞいてみましょう。個人の好みもあるでしょうが、ここは私の独断で参ります。

まず、事業報告は予め準備されたビデオで、多くの映像や図表を交えて見せてくれます。各部門別に、事業の成果と事業環境が示され、今後の見通しも示されます。ビデオのあとで社長自ら、中期・長期にわたる事業計画が語られます。

そして盛り上がる総会の真骨頂は、株主との質疑応答です。

投資の参考になる質問ばかりとは限りませんが、私の思いもしない視点からの質問であったり、会社に対する熱い思いが現れていたり、ともかく活発に質問が出る総会は面白いし、色々考えさせられることもあります。

参加者の年齢層は、やはりある程度若い方が活気があります。会社のことを知ろうという意欲がより旺盛だからでしょう。本来働いているであろう時間を割いて足を運ぶわけですからね。

私が気に入っている株主総会の一つに、ゲームやアニメキャラクターの会社がありますが、総会での質問は総じてオタクっぽく、その手のことに疎い私には全く意味が分からない質問も多々あります。

ただ、とにかく株主の参加意識が強く、熱気にあふれているのです。質問の善し悪しはともかく、聴いていて気持ちのいいものです。

質疑応答も多ければいいというものではなく、総会全体は2時間ぐらいに収まるのが理想的。長すぎるのはやはり疲れます。質疑を適当なところで切り上げ、議案の採決となります。

さらりと終わらせる会社が多い中、このゲーム会社は各取締役がひと言ずつ抱負を述べ、それに対する質疑がまた交わされます。形式的とはいえ、そこに並ぶ取締役の候補者を承認する場なのですから、こうして各候補者の話を聞けるのは、とても良いと思います。

株主総会は会社を理解する良い機会

総会が終わると、会場の外で商品の展示を見て回ります。展示スペースを設けている会社は多いようですね。事業の内容や商品について、その場に控えている社員に根掘り葉掘り質問でき、会社の理解にとても役立ちます。

最初に書いたように、重要なことを議決する機関ということにはなっていますが、実質的には会社のことを理解する良い機会となっています。どの会社も、行ってよかったと思える株主総会にしてくれると嬉しいですね。

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