はじめに
超厚切りステーキの今後はどうなる?
その結果、「8月には欠品になる可能性が高い」(竹市社長)というウルグアイ産牛ステーキ。売れ行きが好調なのであれば、早めに手当てすれば良いように思われますが、そううまくはいかない事情がありました。
ネックとなったのが、輸送に要する期間です。ウルグアイは日本から見ると、地球のほぼ真裏に位置する国。船便だと、どうしても輸送に60日程度が必要になってしまいます。
もちろん、ブロンコビリーとしても厚切りステーキへのニーズが高いとわかったため、産地へのフィードバックとアピールを通じて、供給体制の再構築を進めています。しかし、急激に伸びた需要にはさすがに間に合わなかったというのが現状のようです。
こうなってくると気になるのが、超厚切りステーキの今後でしょう。ブロンコビリーでは、同等のニュージーランド産牛で超厚切りステーキ(200グラム・同1,780円)を開発。計画を前倒しし、8月から提供を始める予定です。
「高齢になると、霜降り肉はどうしても重たく感じてしまいます。そこで、高品質なタンパク源として、シニアや女性でも食べられて、活力が沸くのが赤身肉。徹底的に当社の強みである炭火を生かしながら、他チェーンとは違うことをアピールしていきたい」(竹市社長)
既存店テコ入れにあの手この手
同社では、他にもサラダバーの名称変更も検討中だといいます。自社の野菜ソムリエが考案し、店内で調理した新鮮なサラダがブロンコビリーの売りの1つですが、同業他社も相次いでサラダバーを導入したことで陳腐化が進んでいるからです。
店内調理が売りのサラダバー
せっかく品質の高いサラダを提供しているのに、同じ名称を使っていては期待した効果も上がりません。「当社の強みは食材の調達力・加工力・調理力なので、そこをアピールできるコンセプトは何なのか、見直しが必要」と竹市社長は語ります。
また、消費増税に伴う軽減税率の導入を控えて、税率が8%で据え置かれるテイクアウトの提供も検討を始めたといいます。「どの程度の品質水準であれば、持って帰ってもおいしいと思ってもらえるか、考えていきたい」(同)。
「今はピンチですが、既存店改革を進めて、復活させていきたい」と抱負を述べる竹市社長。矢継ぎ早に打ち出した策が功を奏すのか、その成否はそう遠くない将来に明らかになりそうです。