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「マツコの知らないビジネスホテルの世界」で“大ブレイク”したホテルのいま

ホテル評論家が「日本一」と評した理由とは

筆者は、ホテル評論家という肩書きでメディアから様々なホテル情報を発信しています。この記事のようなウェブメディアをはじめ、新聞、雑誌、テレビなど様々な媒体から発信していますが、中でもテレビの影響力には驚くことが多々あります。ネット全盛の時代、テレビ番組の存在感は往時ほどではなくなっていますし、文章として残る記事と異なり、録画ができるとはいえ放送は一瞬の出来事。しかしながら、この仕事をしていると“やはりテレビは凄い”と感じるシーンが多くあります。

これまで出演した中で、最も印象に残っている番組といえばTBS系の「マツコの知らない世界」です。“ある特定の分野に情熱を燃やす方々”が、スタジオでマツコ・デラックスさんを相手にプレゼンするスタイルで番組が進行します。筆者でいえば、“ホテルに情熱を燃やす人”ということになるのでしようか。計3回(3大CMホテルの世界/ビジネスホテルの世界/リゾートホテルの世界)出演の機会がありました。

中でも2016年11月1日に放送された「ビジネスホテルの世界」は大きな反響をいただきました。


素晴らしいビジネスホテルは随所にあり、放送ではひとつでも多くのホテルを推挙したいところではありましたが、放送時間の関係もあり全国ブランドから「東横イン」「アパホテル」「スーパーホテル」「ドーミーイン」、ご当地ブランドから「ホテルフォルツァ(九州)」「ホテル ココ・グラン(関東)」を紹介しました。

中でも、最後に"日本一のビジネスホテル"として取り上げた、群馬県高崎市の「ホテル ココ・グラン高崎」は大反響を呼び、同週のTBS瞬間最高視聴率ランキング(王様のブランチ)では、同ホテル放送の瞬間が第1位になりました。

あえて言った「日本一」

露天風呂

評論家としては、「日本一」というワードは当然避けるべきなのでしょう。日本一というからには、全施設を体験していることが前提となります。しかし、これまで訪問してきたホテルや日々寄せられる新規開業情報なども含め、同ホテルを超えるビジネスホテルを思い浮かべることができず、トークが盛り上がる中であえて「日本一」と評しました。日本一と評価するのは極めて例外ですが、それ以前にホテル評論家としておすすめホテルを推挙すること自体、実はかなりハードルの高い仕事です。

多くのみなさんが知っているホテルを紹介しても「そんなのみんな知っているよ」となりますし、みなさんがそれほどでもないと感じるホテルを推挙すれば評論家としての存在価値が問われます。そうした意味で、特に影響力の高い媒体で紹介した場合、読者や視聴者の声というよりも、記事や放送がきっかけで実際に利用した方々の反応が大いに気になります。

さらに言えば、ホテルそのものの変化にも着目します。ホテル自体の質が下がってしまったり、紹介したサービスがなくなっていたりなど、定点観測的に注視しつつ大きな変化があれば、改めて情報発信しなくてはなりません。ココ・グラン高崎についても同様で"その後"が大変気になるところです。今回は「『マツコの知らないビジネスホテルの世界』第1位ホテル、その後」として、放送から約3年経ったホテルのこれまで、そしていまをレポートします。

一気に半年先まで埋まった予約 

客室

ココ・グラン高崎は、それまでも人気ホテルでしたが、放送後には一気に全国区となりブレイクしました。放送時からホームページのサーバーがアクセス殺到でダウン、問い合わせの電話が鳴り止まず半年先まで予約が一気に埋まったとのことで、想像を絶する凄さだったと支配人は当時を振り返ります。ホテルに限らず客商売なら繁閑差というものがあります。ホテルでいえば旅行シーズンはもちろん、一週間でも土曜日などは当然のように多くの予約が入ります。一方で日曜や月曜は閑散日といわれています。

ホテルの予約担当者としては、黙っていても予約が入る日はいいとしても、閑散日にいかに予約を埋めるかは課題です。この時のココ・グラン高崎では、閑散日まで全て埋まったといい、開業以来初の出来事だったそうです。一方で、それまでの常連からは「予約がとれなくなった」という嘆きの声も。一時のブレイクで、リピーターを失うケースもメディアの露出の怖さではありますが、それ以上に新規のリピーターが激増した約3年間だったといいます。

風呂

そもそも群馬県高崎市という立地は、ホテルの需要という点からみた場合どうなのでしょう。東京から新幹線利用で50分弱の完全な日帰り圏。一定の宿泊需要はあるものの基本的にフルサービスタイプではなくビジネスホテルが中心。それまで、同市では人気ホテルでも稼働率80%に届けば上出来と言われてきましたが、ココ・グラン高崎では、放送から約3年経ったいまでも95%近いという日が多いといいます。何かの用事があり手段として泊まるというスタイルは基本としても、観光都市でもないエリアでありながら“ココ・グラン 高崎に泊まるために訪れる”というゲストまでいるといいます。

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