はじめに

変動させないプライスポリシー

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また、当初の利用者から「開業当初に比べ料金が上がった」という苦情も耳にするようになりました。筆者から見ても2割程度高くなった印象があります。ただし、日本のホテルカテゴリーという視座からみると、ココ・グラン高崎のクオリティとしては当初の設定はかなり低めだったと評せます。

また、料金が上昇した理由は放送による人気沸騰ということではなく、ここ数年のホテル業界全体の傾向と括ることもできます。訪日外国人旅行者の激増によるホテル活況において、全体的に稼働率はアップしている傾向にあり、需給の原理からも多くのホテルで概して料金が上昇傾向にあります。

他方、ココ・グラン高崎の料金で注目すべき点は「料金変動」の点です。一般的なホテルでは需給(繁閑)に応じて相応の料金変動をさせます。その幅が2倍・3倍というケースも珍しくなく、人気観光地となれば5倍~などというケースもみられます。過度な料金変動で有名になったビジネスホテルチェーンも記憶に新しいところですが、ココ・グラン高崎では、“基本的に大幅な料金変動をさせないこと”を開業来のプライスポリシーにしています。

大きな変動をさせない理由としては、「同じ客室を提供するのに支払う料金が過度に違うのはどうなのか?」という問いに加え、「あのホテルのあの客室は○○円」というイメージの植え付け、そこから繋がるゲストの安心感という点にあると筆者は分析しています。

特徴的な大浴場とプレミアムココスイート

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同ホテルでは大浴場も評価の高い設備。大浴場を設けるビジネスホテルは増加傾向にありますが、ジャグジー・サウナ(女性岩盤浴)などに加え、炭酸泉の露天風呂までとなると貴重なホテルといえます。さらに、パウダーコーナーにはタオル(バスタオルではなく小タオル)が積んでありますが、客室からの持参が基本のビジネスホテルの大浴場ではほとんど見られない光景です。

数百店舗という全国チェーンであれば、あるコンテンツを1店舗でやったら全店舗でやらなくてはならないブランディングの難しさやジレンマもあると想像できます。多店舗展開のブランドにはできないサービスや備品の実現は、独立系・小規模チェーンならではのフットワークがなせる技といえます。

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放送で大きな話題となったのが1室のみという最上階11階の“プレミアムココスイート”。面積はなんと100㎡です。ベッド幅150㎝のベッド2台+デスクが2カ所あります。なかなかお目にかかれないのが“移動できる”大型テレビ。高級マッサージチェアにオイルヒーターやタオルウォーマーまで設置されています。

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広大なデッキテラスには露天風呂にミニプールが。まだまだ驚いてはいけません。浴室にはテレビ付きジャグジーバス、そして岩盤浴にスチームサウナまで。贅の限りを尽くした設備が揃っています。

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ココ・グラン高崎のコンセプトを体現するかのような客室です。その他、まだまだお伝え仕切れない客室や設備もありますので、別の機会に詳しく紹介できればと思います。

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