はじめに

「3高」男子はもう古い? 女性が結婚相手に求める条件が、今、大きく変化しています。

最新のアンケート調査で高い人気を集めたのは、暴力・借金・浮気をしない「3NO」男子。ハイスペックな男性よりも、まずリスクを避けたいという女性心理が表れました。

とはいえ、実際に結婚するまでわからないことも多いのが、これらの習性です。気になるノーリスク男子の見極め方を、プロの婚活コンシェルジュに伝授してもらいました。


2017年は「3NO(ノー)」男子

バブル景気に沸いた30年ほど前、女性が結婚相手に求めたのは高学歴・高収入・高身長の「3高」でした。この3つを兼ね備えた男性と結ばれることは、女性にとってステイタスでもあったといいます。

その後、バブルは崩壊。女性の社会進出が進み、共働き夫婦が増えるのに伴って結婚に対する価値観も変化しました。

バブル景気崩壊後の日本で女性が結婚相手に求めた条件を、心理学者の小倉千加子さんは「3C」と表現。これは、Comfortable(十分な給与)・Communicative(価値観が同じで、理解し合える)・Cooperative(家事に協力的)のことです。イメージは、結婚後も生活水準を落とすことなく共に暮らしていける男性。つまり、この時期にはまだ上方婚指向が残っていたことがわかります。

その後も、「3平(平均的な年収・平凡な外見・平穏な性格)」「3低(低姿勢・低依存・低リスク)」など、さまざまな「結婚したい男性の条件」が定義付けされてきましたが、2017年の今、女性が求める結婚相手の条件はさらに大きく変化しているようです。

婚活支援サービスを展開する株式会社パートナーエージェントは、2017年2月、20代後半~30代前半の独身女性を対象にアンケートを実施。

この調査結果から、女性が結婚相手に求める最新条件「3NO」が浮かび上がってきました。

結婚に意欲的な女性たちに「あなたが結婚相手に求めることはなんですか」(複数回答・対象270名)とたずねた結果、最も多かったのは「優しい」という回答。ほかにも「価値観が合う」「気遣いができる」など、内面的な要素を求める従来から人気の項目が並びます。

また、それらと並んで上位に食い込んだのが「○○しない」という3つの項目。

「暴力をしない」(72.3%)、「借金をしない」(68.1%)、「浮気をしない」(64.7%)が、高い支持を集めました。同社は、この突出した3つの「○○しない」を合わせ持った男性を、「三NO(ノー)」男子と命名。また、「ギャンブルをしない」も9位に入っています。

結婚相手の条件として、この「3NO」をすべて選択した女性は、「最低限の事なので(32歳)」とコメントを寄せます。

ほかにもこれらの項目を選んだ女性たちは、「人生が終わる可能性があるから(27歳)」「借金と暴力は離婚の原因になると思うから優しい人がよい(31歳)」と切実な声を上げます。

これまでの結婚相手選びでは、言うまでもないとされていたような、暴力をしない・借金をしない・浮気をしないという要素。

現代女性が男性に求めるハードルは極端に下がり、理想を求めるよりもリスクを回避したいという志向が高いことがわかります。

ちなみに、3高の条件、「高学歴」は8.8%、「高収入」は29.8%、「高身長」を「自分より10cm以上高い」に置き換えると23.9%、いずれも上位のラインナップからは外れる結果となっています。

求めるのは「ある」よりも「ない」こと

最低限「○○しない」男性を求める現代の女性たち。この志向をより詳しく検証するために、同社は、相反する2つの項目を引き合いに出して、さらに調査を行いました。

その結果、「あなたが結婚するなら、どちらのタイプの男性と結婚したいですか」という質問に対して、すべての項目で50%以上の女性が「○○がある」よりも「○○しない」男性を選択。

「男らしさがある」よりも「暴力を振るわない」男性、「金払いのいい」よりも「借金はしない」男性、「チャレンジ精神がある」よりも「ギャンブルしない」男性、「モテる」よりも「浮気はしない」男性が求められる結果となりました。

「3NO」男子の見極め方

とはいえ、数回会っただけでは見抜くのが難しいのが、暴力をしない・借金をしない・浮気をしない男性です。そこで、パートナーエージェントで多くの男女を成婚に導いてきた婚活コンシェルジュの方に、「3NO」男子の見極め方を教えてもらいました。

まず、暴力をふるう男性かどうかを見極めるためは、「幼少期の家族との関わり方」に注目するとよいそう。

「交際中は“デートが楽しい”ことだけに満足せず、子供の頃からの生い立ちについてもしっかり話をすることが重要です。暴力と家族の関係は切り離せません」

また、借金については、「高収入でも貯金がない方はたくさんいらっしゃいます。男性の年収が高いからといって、安心しないことが大切です」と注意を促します。

「デートの時だけ見栄を張っていないか。普段はどんな生活をしていて、ランチや夕飯にはどんなものを食べているのか。お金のかかる趣味はあるのか。将来の生活にどの程度お金がかかるイメージを持っているのか。そういった話を通して、男性を見抜く目を女性は養いましょう」

幸せな結婚をするためには、「お金の価値観は非常に重要」と婚活コンシェルジュは語ります。持ち家であればローンの支払額や残年数、趣味、交友関係まで、聞き出せる範囲で最大限、男性がどんなところにお金を使うのかを探る必要があるそう。

また、「腹を割ってこのような話ができないと、相手の長所を見抜くことも難しい」と結婚相手選びにおいて大切なことを教えてくれます。

ただ、浮気についてはさまざまな要因があるため、婚活のプロの立場からも「判断は難しい」と言います。2人の関係をしっかり構築した上で、相手から見て魅力的な存在でい続けるという女性側の努力も必要ですね。

「たくさん稼いでくれるハイスペックな夫」より、「一緒にいて安心な信頼できるパートナー」と共に人生を歩みたいと願うイマドキの女性たち。

「3組に1組が離婚する」とも言われる昨今。まずは“ノーリスク”な相手、という女性の心理は自然なことなのかもしれません。

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