はじめに
お金をやりくりしても関係を続けたい
不倫は男に経済力がなければできないとよく言われますが、実態はそうではありません。お互いに家庭がある場合は、ふたりでやりくりしながら関係を続けているのが実状です。
「彼は高校生を筆頭に3人子どもがいるので、これからまだまだ学費もかかる。給料がどのくらいか私は知っているので、彼には無理はさせたくないと思ったんです。だから時間をやりくりをして、ホテルへ行くのは平日の昼間。週末が休みの仕事ではないので、それはいくらでも調整が効きます」
ラブホテルのサービスタイムを使って、月に1回か2回、ふたりだけで濃密な時間を過ごします。それは彼が支払ってくれますが、食事だけのデートをするときは彼女が払うようにしています。
「最初、彼は全部負担しようとしたのですが、彼にそんなにお金を使わせたくなかった。そうはっきり言いました。そうしたら彼が、『ありがとう』と涙ぐんで。とにかくふたりだけで過ごす時間を大事にしたい。長く続けていきたい。だからこそ時間的にも経済的にも無理をしないで、率直に話し合ってやっていこうということになりました」
彼との関係が始まってから、ウソのように更年期症状が消えてしまったというヨウコさん。心身ともに力がみなぎるような感覚があるといいます。
「自分が不倫なんてするとは思わなかったけど、人を好きだという気持ちを止めることはできませんでした。子どもが小さかったら別だけどうちはもう手もかからないし、夫とは仲が悪いわけではないけど男女の関係はないし。そんなとき彼と深い関係になって、もう一度、元気に生きる気力を与えられたような気がします。おしゃれにも目覚めました。デート代や洋服代は、夫の給料から出すわけにはいかないから、がんばって仕事をしています」
ヨウコさんは艶のある肌を上気させながら、うれしそうにそう言います。こういう女性を目の当たりにすると、不倫を善悪で断罪することはできないと改めて感じます。