はじめに

暮らしを便利に、快適にしてくれる住宅設備は日進月歩を続けています。イマドキの設備は、「水を使わない」「電気が節約できる」などの省エネ性能が進化し、デザイン性が高くて使いやすいだけではなく、水道光熱費もグンと下がるようになっています。

この連載では、リフォーム情報サイト「SUUMOリフォーム」の福澤佳恵編集長が、リフォームについてのノウハウをお届けします。今回は、その中でも特に注目の設備をご紹介します。


普通に使うだけで節水できるキッチン

一般的に、キッチンをリフォームする費用の目安としては、位置はそのままで新しいキッチンに交換した場合は約125万円。独立型をオープンな対面式に交換するなど、壁を取り払う工事費なども含むと、約160万円です。キッチン設備をまるごと換えると結構な金額になりますが、設備の一部(水道だけ、食洗機だけ、ガスコンロだけなど)を換えることもできます。

従来のシングルレバー水栓から、最新設備の「空気を含む吐水(とすい)の水栓」に換えると、勢いはそのままで、水の量を約3分の1に削減できます。年間約1万4,900円のコストダウンになります。洗う感覚を損なわずに節水・節湯できるのが最大のメリットです。

普段キッチンの水栓を使うとき、レバーの位置はなんとなく真ん中になっていませんか。 実は、レバーの位置が真ん中にあると、少しお湯が入っています。そうすると水だけでいい場合も、無意識にお湯を使っていることになるのです。

最新設備の「クリック感のあるレバー水栓」に換えると、水とお湯の境目がカチッとなり、お湯に切り替えたことがわかるので、今まで「何気なく出していたお湯」を出さなくて済みます。また水量の調整もしやすくなるので、無駄な吐水もなくなり、ガス代と水道代の節約になります。年間約8,600円のコストダウンが見込めます。

ガスレンジや食洗器でも省エネ

レンジフィルターの掃除はついつい後回しにしてしまい、重い腰を上げてようやくやる、なんてことはありませんか。最新のガスレンジのレンジフィルターは、従来のものと比べ、画期的に掃除が簡単です。

気合いを入れてゴシゴシ洗うとかなりの水を使いますが、最新設備では、防汚加工された金属プレートを洗うだけ。掃除にかかる時間を大幅に短縮することができます。水の量は年間約192リットルもダウンします。

ガスレンジを自動で洗浄できる機能付きなら決まった湯量で洗えるので、手洗いよりも節水が可能。また、自動火力調節付きのガスコンロは適切な温度をキープしてくれるので、かぼちゃの煮付けを焦がしちゃった!なんてこともなくなります。

イマドキの食洗機は「重曹洗浄コース」がついているものもあります。これは、人体に無害な重曹の洗浄力を活かし、低温のお湯で洗うので、ガスの使用量を節約できます。年間約1万7,000円のコストダウンになります。油汚れが気になって予洗いをしていた場合は、水の量も節約できます。

このように、「言われてみれば、無意識に水やお湯を出し過ぎちゃっていたな……」と思う瞬間がなくなり、普通に使っているだけで光熱費を下げてくれるのです。

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