はじめに

愛知県名古屋市を中心に展開するラーメンチェーン「スガキヤ」が、9月末までに大量閉店することが明らかになりました。今年に入ってから閉店する店舗の数は、全体の約1割に及びます。

公式サイトのお知らせページに掲載された閉店情報に対し、スガキヤファンからは「何があったのか」と心配の声が上がっています。運営元のスガキコシステムズに事情を取材しました。


2府9県で36店が閉鎖へ

名古屋のソウルフードと呼ばれるほど、地元に定着しているスガキヤの「ラーメン」。魚介だしと豚骨を組み合わせた独特の味わいが特徴で、価格は1杯320円(税込み)。一般的なラーメンと比べると格安です。

出店エリアは、愛知、岐阜、三重、静岡の東海圏のほか、北陸や関西も合せて2府9県。ユニーが運営する「アピタ」などの総合スーパーのフードコートをメインに展開し、小さな子供連れのファミリー層などに支持されてきました。

スガキヤ

公式サイトの情報によると、8月までに閉店したのは27店舗(「寿がきや」業態を含む)。9月に閉店する9店舗を合わせると計36店舗。年初の時点で369店あった全店舗のうち、約1割に上る計算です。

県別に見ると、愛知(15)岐阜(5)静岡(3)大阪(3)三重(2)兵庫(2)奈良(2)石川(1)福井(1)滋賀(1)京都(1)となっています(詳細は記事末尾の閉鎖店舗リスト参照)。

「スガキヤ欲を今後どこで満たせばいいのか…」

大量閉店を知った利用者は、Twitterに「スガキヤ閉店しまくってるけど大丈夫なんか?」「近所のスガキヤも閉店してしまう…スガキヤ欲を今後どこで満たせばいいのか…」と心配する投稿をしています。

運営元のスガキコシステムズに問い合わせると、赤字店舗の閉店による体質改善が目的だといいます。

「業界的に人手不足で手が回らないため、赤字の店舗を閉めて、黒字の店舗に回そうという意図も少しはあります。9月末までで閉店はおそらく一段落します」と広報担当者は説明します。特定の県からのエリア撤退という意味ではないそうです。

官報などによると、スガキコシステムズの2018年3月期の売上高は115億9,700万円、純利益は3億8,962万円を計上しています。赤字店舗の大量閉店で、採算の改善を図ります。

<店舗写真:Parsley319/CC BY-SA 3.0>

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