はじめに
平均動員4000人への道
八村塁選手のNBA入りや、自力では21年ぶりとなる日本代表のワールドカップ出場、そして来年の東京五輪もあり、日本のバスケットボールはこれまで以上に盛り上がることが予想されます。今年は観客動員1試合平均4,000人以上を目指していますが、自クラブでの地道な経営努力に日本バスケ界全体の流れを加えれば、十分可能な数字です。
しかし、元沢社長の目はその先、再来年の黒字化、リーグ制覇、そしてアジアNo.1クラブへの道に向いています。
すでに川崎は、自前のアリーナを建設する構想を発表。横浜DeNAベイスターズは横浜スタジアムの運営会社を買収して、収益増強や効果的な利用に成功しています。グループ会社がチームと試合を行う施設を一括で運用するノウハウ、そしてメリットを理解しているからこそ打てる次なる一手なのです。
一方でスポーツビジネス全体のことも考え、従業員の給与などについても意欲的に上げていこうとしています。今でも横浜DeNAベイスターズと変わらない評価基準で運営されているので、業界内では決して安いことはないですが、スポーツビジネスに優秀な人間が入ってくるためにも必要なことだと認識しています。
国も成長分野ととらえているスポーツ産業。経済産業省とスポーツ庁が共同で設置した「スポーツ未来開拓会議」は、2012年に5.5兆円だったものを2025年までに15兆円まで拡大させることを目標として設定しています。そのロールモデルの1つとして川崎ブレイブサンダースが名を連ねられれば、Bリーグ、そして日本のスポーツ界はさらに盛り上がっていくはずです。