はじめに
金融機関側にもメリットがある
セブン銀行の端末でできることは、かなり多岐にわたっています。
銀行業態では、メガバンク、地銀、信金、信組、ろうきん、農協、漁協など、ありとあらゆるところと提携していますが、クレジットカード会社、消費者金融、数は少ないですが証券会社や生命保険会社とも提携しています。証券口座へのお金の出し入れ、生命保険会社からの契約者貸付もできます。
かかる手数料は提携先によってまちまち。残高照会にまで手数料がかかる銀行もありますが、信用組合やろうきん、農協、漁協は、出金に手数料がかかるのはごく一部の時間帯だけです。身近なところでは、nanacoや楽天Edy、SuicaやPASMOなど電子マネーのチャージもタダでできます。
従来通り、nanacoなどへのチャージも可能
手数料は預金者に代わって提携先が負担しているのですが、自前でATMを運営する費用に比べたらいくらでもありません。このため、コンビニATMの増加は、自前のATMを減らしたい金融機関にとって実にありがたいことなのです。
新型ATMが広げるビジネスチャンス
実は、今回お披露目された新型ATMは、金融機関からの手数料収入を増やせるだけでなく、顧客を金融機関以外にも大きく広げられる可能性を秘めています。
顔認証機能を使えば、本人確認が必要なビジネスへの拡大が見込めます。民泊のチェックインやチケット販売、本人限定郵便の受け取りなどへの活用が考えられます。選挙の投票所として活用できれば、投票率も上がるかもしれません。
免許証などを読み取り、顔認証と組み合わせて本人確認を実施
日常生活で本人確認が必要な場面は増える一方です。今回は機械が先に誕生しているので、この機械をどう活かすかは顔認証を必要とする事業者がこれから考えるという順番になります。
今後実験によってさまざまな課題が見つかるはずですから、銀行関連以外への機能拡大には今しばらく時間がかかるかもしれません。それでも、5年後にはATMの概念が大きく変わっている可能性は低くなさそうです。
<写真:セブン銀行提供>