はじめに
日本マクドナルドホールディングスは11月6日、10月の既存店売上高を発表しました。そこで明らかになったのは、今年5月以来となる5ヵ月ぶりの客数減でした。
10月といえば、ちょうど消費税率が引き上げられたタイミング。マクドナルドにも増税の影響が出たように思われがちですが、会社側に取材してみると、実際の原因は別のところにあるようです。
会社側は「増税による影響は特にない」
日本マクドナルドHDが発表した月次IRニュースによると、10月の既存店売上高は前年同月比4.3%増となり、47ヵ月連続で前年を上回りました。客数は同2.4%減となりましたが、客単価が同6.9%増となり、客数減を補った格好です。
マクドナルドでは10月の消費増税に合わせて、イートインと持ち帰りの価格を統一。「ハンバーガー」「チーズバーガー」「マックフライポテト Mサイズ」など、全体の3割を占める商品の価格を10円値上げした一方、バリューランチや500円のバリューセットなど7割の商品の価格は据え置きました。
こうした影響が10月の月次客数に影を落としたようにも思われますが、同社によると「増税による影響は特にない」(広報担当者)といいます。
悪さをしたのはおとぎ話の主人公?
実は客数と客単価に大きく影響が出た原因は、2018年10月にKDDIが実施した「三太郎の日」にありました。
このキャンペーンは、会員限定で3日、13日、23日の最大3回、マクドナルドの「ダブルチーズバーガー」1個がプレゼントされるというものでした。そのため、昨年10月はイレギュラーな形で客数が増加し、客単価も下落しました。
1年が経過した今年10月は、その反動で客数が前年を下回る着地に。対して、昨年のキャンペーンでプレゼントしたダブルチーズバーガーはゼロ円として売り上げに計上されたため、客単価は今年、6.9%と伸長する形になりました。
今年10月はてりやきマックバーガーの発売30周年を記念し、「てりやきマックバーガー」セットを500円の期間限定の特別価格で提供したほか、「旨辛てりやきマックバーガー」「親子てりやきマックバーガー」「てりやきマフィン」を発売。これらの商品は「好評をいただいている」(同)といいます。