はじめに
ボディカラーも新鮮
昨今のクルマ選びの際に重要さを増しているのがデザインとボディカラーです。ヤリスのデザインコンセプトは「B-Dash!」。これは大胆(BOLD)、活発(BRISK)、そして美しく(BEAUTY)の頭文字を取ったもので、いまにも走り出しそうな弾丸のようにダッシュするイメージをデザインに込めたそうです。実車の車両を見ると、シャープなヘッドライトや引き締まったデザインはアスリートを連想させアクティブな走りを予感させます。
そしてボディカラーに関しても全部で12色というワイドバリエーション、さらに昨今トレンドのひとつでもあるルーフを別色(ブラックまたはホワイト)で塗った「ツートンカラー」もオプションになりますが6色設定することでユーザーの嗜好に対応しています。
おサイフに優しい“超”低燃費に期待
ヤリスには3種類のエンジンが設定されます。新開発の1.5L直列3気筒、1.5L直列3気筒にモーターを組み合わせた「ハイブリッド」、そしてベーシックな1L直列3気筒です。
トヨタといえば、やはりハイブリッドカーが有名ですが、この新型ヤリスはさらなる低燃費が期待できます。
今回はプロトタイプということで燃費データはまだ公表されていません。しかしトヨタによればこのハイブリッド車は量販時には従来より車両重量を50kgも軽量化するとのこと。またトヨタのハイブリッドカーはEVモード、つまり電気だけで走ることが可能ですが、これまではその上限は70km/hでした。しかしヤリスはこれを130km/hまで引き上げました。
つまりエンジンをなるべく始動させすにモーターの力だけで走れる領域を拡大することで必然的に燃費は向上することになります。
これらの技術により、現在の燃費性能は従来比20%以上向上とのこと。元々燃費の良いハイブリッドカーがさらに進化することで当然月々のガソリン代も抑えることになるわけです。まさしく「おサイフに優しい」クルマになることは間違いないでしょう。
サーキットを走らせたのには理由がある
MONEY PLUSの読者の方にはなるべく専門的な用語とは使わずに解説するように心がけていますが、今回のプロトタイプをわざわざサーキットという過酷な環境で走らせたのにはトヨタがこのクルマに対して自信があるからでしょう。
試乗はハイブリッドと素の1.5Lガソリン車、さらに組み合わされる新開発のCVTや6速マニュアル(1.5Lガソリン車のみ)も体験することができました。
ハイブリッド車はやはりモーター領域で走れば静粛性は優れています。サーキットという環境ではアクセルを積極的に踏んでしまいますが、エンジンがかかった状態でも振動も抑えられており、将来市販化された時、街中や高速道路を走行するシーンでも扱いやすいはずです。
またかなり激しいコーナリングをくり返しても車両の動き(挙動と言います)が破綻すること無く安定している点も見事です。
やはり速度レンジが高い欧州などで販売する際にはハンドリングの確かさは重要なポイントです。ゆえにその点では誰が乗ってもこれまでのヴィッツとは「ひと味違う」ということがわかるはず。自分の走りたい、曲がりたいという要望にどこまでも自然に応えてくれる感覚がヤリスの美点なのかもしれません。