はじめに

少し前の話になりますが、イタリアを旅行中の日本人がレストランで法外な金額を請求された事件がSNSで話題になりました。実はこうした事件は珍しいことではなく、ローマやヴェネチアなどの有名観光都市では、国籍を問わずさまざまな旅行者から被害の報告が出されています。

せっかくの旅行気分を台無しにしてしまうこのレストラン詐欺。一体どのような手口なのか、また被害に合わないようにする方法はあるのかを考えてみましょう。


2人分のランチで51,000円の請求

この事件はイタリア・ローマのレストランで食事をした2人の日本人旅行者が、349.50ユーロ(約42,000円)もの代金を請求されたというもの。特別な高級店で食事をしたわけではなく、また注文したものはスパゲティ2皿にシーフードのグリル、水だけだったといいます。

レシートが発行されていないため詳細な内訳は不明ですが、観光地であることや、魚料理が日本より割高という現地の事情を考慮しても、かなり法外な金額と言っていいでしょう。2人の旅行者は払うまで店から出さないと言われたため、仕方なくクレジットカードで支払いをしました。明細には食事代349.50ユーロに加えて80ユーロのチップが加算され、最終的な支払い金額は429.80ユーロ(約51,000円)にもなったといいます。

その後、この事件はSNSなどで拡散されたことで明るみになり、当該店舗は5,000ユーロ(約60万円)の罰金と5日間の営業停止を命じられました。また、トリップアドバイザーの店舗のページでは、同じような被害にあった人のコメントが殺到する騒ぎになっています。

こうした騒ぎになったことを考えると、店舗側は相応の罰を受けたと考える人も多いかもしれません。ただ、残念ながらイタリアではたとえ営業停止になっても、店名を変えてそのまま悪質な営業を続けるケースが珍しくありません。観光地では常に新しい人の流入があるため、多少悪質でも客は減らないと店側が高をくくっているのが実情です。そのため、店の名前を覚えて避けるだけでは詐欺を防ぐ対策としては不十分なのです。

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