詐欺にあわないための対策は?

こうした悪質なレストランの被害にあわないために、旅行者はどのようなことに気をつければいいのでしょうか。いくつかのポイントに分けて考えてみましょう。

■値段のわからないものは注文しない

詐欺被害を防ぐうえで大切なのは「注文前に値段を確認する、値段がわからなければ注文しない」ことです。こう書くと「当たり前でしょ」と感じる人もいるかもしれません。しかし、悪質なレストランのメニューは、値段が分かりにくい書き方をしていることが非常に多いのです。

例えば今回の被害者が注文した「シーフードのグリル」は、一皿単位ではなく100グラム単位の価格が記載されていました。この書き方自体はイタリアでは珍しいものではなく、肉や魚のグリル料理ではむしろ一般的です。ただ、その表記だけで2人前の金額を想像するのはかなり難しいでしょう。

こうしたメニューを注文する場合、通常はウェイターが調理前の食材をテーブルに持ってきて「このくらいの量でいいか(=この金額でいいか)」と確認してくれるか、そうでなければお客側が「2人分ならどのくらいの量か、いくらになるのか」を注文時に確認します。

ただ、旅行者は言葉や習慣の問題でそれが難しいこともあり、悪質なレストランはそれを利用して食べきれない量を盛り付けたり、重さのある貝や飾りの氷などを載せて金額をかさ増しするのです。トリップアドバイザーに投稿された別の被害者のコメントでは「シーフードの盛り合わせを強引に勧められた」とあり、こうした手口が恒常的に行われていたことが推測できます。

■事前に店の評判を調べておく

事前にレビューサイトなどでレストランの評判を調べておくのも効果的な対策の1つです。最近は内部関係者が高評価の投稿をしているケースもあるため100%信用できるわけではないのですが、「詐欺にあった」「ひどい対応だった」などの投稿がないかどうかを確認することで、悪質なレストランをある程度見分けることができます。

また、初めての場所で全く検討がつかない場合はホテルのフロントなどでレストランを紹介してもらうのもひとつの方法です。この場合は英語で対応できる、ホテルから近いなど、旅行者にとって利便性の高い店を紹介されることが多いので、必ずしも地元の人が通うような名店を探せるとは限りません。ただ、レストラン詐欺を防ぐという意味では有効な手段と言えるでしょう。くれぐれも観光地のすぐそばにある、客引きをしているような店には入らないほうが賢明です。

■不当な金額は支払わない

もしも「メニューを確認して注文した」「事前に評判を調べた」などの対策をしても、不当な金額を請求されてしまったら……。その場合は、不当な金額は払わない意思表示をして抗議するしか方法はありません。相手はおそらく「払うまでは店から出さない」などの脅し文句を出してくると思いますが、それでも毅然と対応することが重要です。仮に支払ってしまうと、どのような状況であれ「金額に同意した」とみなされてしまうため、あとからお金が返ってくる可能性はほぼありません。

もし現地でつながる携帯電話を持っている場合は、支払い前に警察を呼ぶ方法もあります。警察を呼んだところで現地の言葉が話せなければ分が悪いのは一緒ですが、それでも黙って言われた通り支払うよりはましです。相手も悪いことをしている自覚はあるので、警察を呼ぼうとした瞬間に請求金額が半額になるなんてのもよく聞く話です。

いろいろと悪質なレストランについて書きましたが、詐欺被害を防ぐ最初のポイントは、事前にしっかり情報収集をすることです。一日中観光して歩き疲れてしまうと判断力も鈍ってしまい、怪しい雰囲気を感じてもついつい「まあいいか」となってしまいがち。せっかくのイタリア旅行で嫌な思いをしないためにも、事前に情報収集をして悪質なレストランをしっかり見分けられるようになるとよさそうです。