はじめに
見た目は確実にスペシャルコペン!
ブラックで縁取られているヘッドランプなどランプ類はLEDを惜しみなく採用
ではその30万円でどんな仕掛けを施されているのでしょうか。
まずは外観を見てみましょう。“Functional MATRIX”グリルと呼ばれるフロントフェイスは水平・垂直基調のデザインで精悍さを演出すると同時に、走りに効果的な冷却性能を発揮する場合も役立つデザインだそうです。確かに専用フロントバンパーとフロントグリルを与えられた見た目はノーマルよりスッキリとした印象になりました。また専用のLEDヘッドランプや専用LEDフォグランプなど低消費電力ながら明るい光を放つライト類が与えられています。明るく照らして視認性を向上させるだけでなく、デザイン面での効果も狙っています。
もちろんリアスタイルも専用LEDリヤコンビランプやブラック加飾にすることで後続車からの被視認性を高め、夜間走行時の安心感を高めます。こうしたボディパーツの多くは見た目の印象を変えるだけでなく、しっかりとした性能や安全性を確保するために用意されたアイテムですから“なんちゃってスポーツ”とは明確な線引きをしてもいい内容だと思います。
外観上でもう一つ目を引いたのは、BBS製の専用鍛造16インチアルミホイールが足下を引き締めていたことです。BBS製のホイールと言えばF1などでも使用される世界の銘品で、世界中の車好きにとっては憧れのブランドです。元はドイツ発祥のブランドですが、現在は日本で製造され、BBSジャパンが世界に誇ると言ってもいいホイールなのです。もちろんその性能は一級品で、見た目だけでなく、軽くより強靱さを持ったそのアルミホイールは、スポーティな走りには必須。コペンGRスポーツは見た目だけでなく、性能面でも“侮りがたし”と言っているようです。
次にインテリアですが、こちらもけっこうやってくれています。まず目に飛び込んでくるレカロのバケットシート。レカロの名前はかなり浸透していますが、こちらもシートの銘品と言える世界的なブランドで、ベースのコペンでも採用しているグレードもあります。しかし違うのはそのスポーツシートのバックレストには「GR」の刺繍ロゴが刻まれていることです。
腰、上体、肩をしかりとホールドしてくれるレカロ社製のシート。ヘッドレストにはレカロのロゴが輝く。
そのレカロシートですが肩口にもサポートワイヤーを内蔵し、急激な旋回時でもしっかりと身体をホールドしてくれそうです。またシート地の素材も滑りにくく、肌触りも上質なスエード調生地で、スポーツカーとして見た目も性能も申し分がありません。そしてGRロゴが輝くメーターパネルですがスッキリとしたアナログメーターで、走行中も視認しやすい専用自発光式3眼メーターで視認性もいい。
ところでこのコペンGRスポーツにはメーカーのエンブレムがありませんでした。本来ならダイハツなのでしょうが、トヨタのブランドを背負っている。何ともわかりにくいので広報に聞いてみました。すると、ダイハツでもなくトヨタでもなく「コペンGRスポーツ」という形でお願いします、とのことでした。