はじめに

中身もぬかりなく、スポーツカーとしての仕上げ

リアバンパーもブラックを使い引き締めた印象になっている。これもGRスポーツ専用装備で、その下のは3本のフィンを備えた「ディフューザー」と呼ばれる装備が見える

内外装の見た目の仕立てはよく分かりました。しかし、ここまででは外観の変更だけに留まります。GRスポーツにとって、もうひとつ重要なのは走りの性能なんですが、よく見るとこちらも抜かりがなさそうです。まずは佇んでいるスタイルでは確認出来ないのですが「専用のボディ剛性アップパーツ」が骨組みに組み込まれています。

これを“ブレース”と呼ぶのですが、専用のフロントブレース、センターブレースなど追加しています。ボディがしっかりするとスポーツ走行なのでもボディ自体のねじれなどが軽減され、より確実な走りが出来るので、このパーツは走りに効果てきめんでしょう。

さらに、しなやかなスポーツ走行を確保するために力を注いだという専用チューニングショックアブソーバーと赤い塗装が施されたコイルスプリングと組み合わされています。このようにしっかりとしたショックアブソーバーも受け止める側のボディ剛性がヘニャヘニャでは、まさに猫に小判。だからこそボディのしっかり感と高性能のサスペンションとの組み合わせは必須要件なのですが、その辺も抜かりがなさそうです。

ここに与えられたのが660ccの直列3気筒ターボエンジンですが、こちらはノーマルのままです。64馬力を発生するエンジンですが当然これをチューニングすることは出来ます。しかし、そこには軽自動車の660ccの排気量規格と、軽自動車メーカー自らが設けた「最高出力64馬力以下」という自主規制の壁があります。このためにコペンGRスポーツのエンジンはノーマルのままです。

ここでもう一点、GRシリーズの交通整理をしましょう。GRシリーズには「GRスポーツ」と呼ばれるものと「GR」とスポーツの名の付かないモデルがあります。単純にGRと呼ばれるのは、より高度なチューニングを施されているモデルのことを言います。一方、コペンもそうですがGRスポーツと呼ばれるのはエンジンなどのチューニングは施さず、日常からスポーティな走りまで幅広く対応できるという仕上げになっています。

そのためGRスポーツの名の付くコペンは、エンジンには手が入っていません。それでも十分に楽しめるようにとチューニングされた足回りや専用パーツのボディ外観を持っているのですから、かなりの実力を持っていると思います。こうして出来上がったコペンGRスポーツはGRシリーズの末弟と言う事になるわけですが、その走りはけっこう刺激的でした。

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