はじめに

選ぶ力の土台となる理想の自分の描き方

自分の理想の道がある、生き方があるという人にとっては、"多様な生き方・働き方"が増える今の社会は"生きやすく・働きやすく"なったと感じるはずです。

しかし、誰しもが多様な道を示されることが良いとは限りません。選ぶことに迷ったり、進みながら迷うこともあるでしょう。

そんな時、自分の軸があると少し選択が楽になったり、自信を持って進めることがあります。この自分の軸を振り返る時に活用できる解決志向の考え方を一部ご紹介したいと思います。

前回のコラムでもポジティブ心理学の一つである解決志向の考え方として、否定形の問題について「なぜできないのか…」という原因分析をするのではなく、問題自身を肯定形に変え、肯定形の目標のために「何をしていくか」という考え方をする方法についてご紹介しました。

解決志向の考え方では、問題を持っていることは素晴らしいことと考えます。というのも、私達は理想の状態に達していない時、そのギャップを問題と捉えると考えられるからです。

たとえば職場で考えた時、コミュニケーションが不足している問題を感じている人は、コミュニケーションが円滑な職場で働くことが理想だからこそ、コミュニケーション不足を問題視しています。

コミュニケーションが良い職場で働きたいという理想がなければ、コミュニケーション不足はその人にとって問題にならないからです。自分が生きていく道の理想を考えようとしても、疲れている時やストレスを抱えていると、理想を次々と挙げていくことは難しいことがあります。

「そんなこといっても、今こんな問題を抱えているし自分には夢がない」なんて悲観してしまうかもしれません。そんなときは、解決志向のワークを試してみませんか?問題を抱えていてもOKなのですから。

まず、今の不満をリストアップしてみてください。次にその不満を単純に言葉だけで裏返して肯定形にしてみてください。それが終わったら、リストアップした右側の◎のリストだけを見てみてください。

例:Aさんの不満が左側のリスト、裏返した理想が右側のリスト

右側のリストが満たされた職場環境がAさんの求めている働く環境でしょう。上記の例のようなリストをそれぞれ問題や理想と感じるか否かはもちろん人それぞれです。だからこそ、自分の不満を肯定形にしてみることで、自分ならではの理想が見えてくるでしょう。選んでいきたい働き方を見つけていくヒントになるかもしれません。

解決志向のワークで問題から理想を描き出す工程は単なる裏返しだけではなく、このままだとどうなってしまうかという悪化のシナリオを描いたり、それが自分にとってどう悪影響になるかまでを考えて理想を描くプロセスも存在します。

ただ、まずは自分自身の振り返りのきっかけとして簡単にできるワークをご紹介しました。二重丸のリストを見て2020年の目標を見つけるヒントになれば嬉しく思います。

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