はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。
今回の相談者は、4000万円の住宅購入を検討中のアラフォー主婦。来年度から妻の収入が下がる中、この予算が現実的なのか教えてほしいといいますが……。FPの薮内美樹氏がお答えします。
現在は賃貸住まいで、家賃補助2万7000円が給料に含まれていますが、自宅を購入すると支給されません。いまは夫の給料で生活をし、私の給料の月25万円、2人の年間ボーナスから50万円を貯金し、残りは自動車保険や車検など年間の必要経費と旅行代に使っています。
来年度より、私は年収200万円くらいのパートに働き方を変える予定です。私が働き方を変えることで、今までのように貯金や旅行ができなくなることはわかっていますが、あまりに切り詰めた生活は望んでいません。また契約社員として働こうかとも思いますが、できればパートとしてやっていきたいです。
私の貯蓄額は結婚前のもので夫は知りません。マイホームにいくらか回してしまうと、今の夫婦関係のバランスが崩れてしまいそうなので、自分の車を購入する時などに後々使おうと思っています。以上を踏まえて、いくらまでのマイホーム予算が現実的なのか教えていただけるとうれしいです。よろしくお願いします。
〈相談者プロフィール〉
・女性、38歳、既婚(夫:39歳、会社員)、子どもなし
・職業:会社員(専門職の契約社員)
・居住形態:賃貸
・毎月の世帯の手取り金額:58万円
(夫:33万円、妻:25万円)
・年間の手取りボーナス額:250万円
・毎月の世帯の支出目安:28万円
【支出の内訳】
・住居費:7.4万円
・食費:3万円
・水道光熱費:1.6万円
・教育費:なし
・保険料:なし
・通信費:1.1万円
・車両費:1.7万円
・お小遣い:3万円
・日用品:1.9万円
・趣味・被服費:3.3万円
・外食費:2万円
・その他:3万円
【現在の資産状況】
・毎月の貯蓄額:25万円
・現在の貯蓄総額:共有1200万円、妻1100万円
・現在の投資総額:妻480万円
・現在の負債総額:なし
薮内: 今回は、ご夫婦のライフスタイルとのバランスを取りつつ、夢のマイホーム購入にどこまで予算をかけられるかというご相談です。
仮に、希望の4000万円のマイホームを購入した場合、支出をどれくらい抑える必要があるのかシミュレーションしてみたいと思います。許容できる生活水準かどうかを確認していただくことで、現実的に適切な住居費の予算がイメージできるのではないでしょうか。
生活費は抑えつつも、旅行にはしっかりお金を使う夫婦
世帯の年間手取り額946万円のうち、約37%にあたる350万円を貯蓄に回されています。貯蓄を差し引いた年間支出は596万円になり、ご夫婦お二人の生活にしては高めです。
支出の内訳を見てみると、日常生活費は、食費やおこづかい、通信費など、全体的に抑えられており、年間336万円です。残りは、自動車保険や車検などの車関連費と、旅行代に使われているとのことですが、車の関連費が20万円、さらに、電化製品の買い替えや、突発的な特別支出が40万円あると見込んだとして、200万円が旅行代となります。
このことから、“日々の生活費は抑えつつ、旅行代にかける費用は惜しまず使う”というご夫婦の価値観、生活スタイルが見えてきます。