はじめに

拡大する「女性の一人外食」

女性の外食ニーズの高まりは、データからも読み取れます。リクルートライフスタイル「ホットペッパーグルメ外食総研」の調査によると、2018年度の女性1人の年間外食回数は前年度比で9.1%増加。2015年度比では14.2%も増えています。

ホットペッパーグルメ外食総研の稲垣昌宏・上席研究員は「女性の社会進出が大きな原因。働く方が増え、忙しいのでごはんを作ったり、片付けたりする時間を節約するために、お金を払ってでも外食をするようになった」と分析します。

女性の「一人外食」で利用される業態のシェアは「ラーメン、うどん、パスタ、ピザ等」の専業店が16.9%で1位。2位の「ファストフード」が12.5%を占めます。また、女性就業者による一人外食の伸び率は高く、2015年度比で31.1%増加。これは女性就業人口の増加率である12.9%を上回る勢いです。

食事だけでなく「一人飲み」の回数も増加しており、「働くことでストレスがたまり、男性がお酒を飲みたくなるように、女性にも同じことが起こっている」(稲垣上席研究員)といいます。

男性が一人で外食をする回数のほうが現状まだ多いですが、さらに女性の社会進出が進むことを考えると、女性の一人外食は「伸びしろがある」と稲垣上席研究員は指摘します。

「東京たらこスパゲティ」の今後の展開について、前出の広報担当者は「フランチャイズ展開できるモデルかどうかを含めて、これから検証していく」と説明します。はたして、アークランドにとってはこれまで空白地だった女性ユーザーを取り込むことができるでしょうか。

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