はじめに
大型犬に適している
現在のカングーは2013年にマイナーチェンジを行いフロントマスク周辺を大きく変えています。細かな部分の変更はあるとはいえ、それでもカングーのテイスト自体は変わりません。
ヘッドライトはハロゲンヘッドランプ。オプションでLED仕様も設定します
それではなぜこんなにカングーは売れ続けるのでしょうか? 今回カングーオーナーではない筆者が長距離も含めて使ってみた感想としては、前述した「シンプル」な点も含めた「道具感」と、乗るだけでワクワクしてくる感覚があります。
ルノー・ジャポンにも話を聞くと「自分のライフルタイルをもっと彩りのあるものにしたい」という思いがカングーユーザーの共通認識ではないか、とのこと。
上質感や利便性を高める装備は確かに魅力的ですが、ボディカラーやデザインも含め、「このクルマに乗ってどういうライフスタイルを送ろうかな」と思いをめぐらせたくなる部分が魅力と言えます。
実際、カングーの売りのひとつである荷室。ドア自体もダブルバックドアと呼ばれる観音開きを採用することで狭い場所でも開閉が可能です。圧倒的なのが荷室スペースと使い勝手の良さです。タイヤハウスの出っ張りもほぼ無いまるで「四角い箱」とも言える空間ゆえに無駄がありません。
ダブルバックドア(観音開き)とスクエアな荷室により実用性は極めて高い
また付属されるトノボードは外から荷室の中身が見えない機能を持ちますが、セットする位置を2段階に変えられるので、荷室空間を上下2段に区切ることも可能です。例えば上段に荷物、下段に汚れたもの、などユーザーの考え方ひとつで使い道も大きく拡大できます。
また地面から荷室フロアの位置が低いのも大きな特徴です。重い荷物(例えば2L×6本入りペットボトル)を積載する時なども腰への負担が少なくなります。
そしてこの低さはペットが乗り降りする際にも非常に便利です。あくまでも個人的な実感ですが、カングーのオーナーには大型犬(ラブラドール・レトリバーほか)を飼っている方が多いです。共通する理由として「とにかく乗り降りがしやすいから」を挙げています。
元々使い勝手も良く、空間を活用できるカングーだからこそ、既存のミニバンとは異なりペットにも優しい仕様として評価されている点も取材を通じて感じました。