はじめに

物入れ一杯の実用性の高さはベルランゴ有利か

走りを試し、カングーにもベルランゴにも好ましさを感じて、迷いながら室内の物入れなどをチェック。プラスチックっぽさを感じさせるベルランゴのインパネですが、アウトドア的な使いが多くなることを考えると「これで十分」といった印象です。一方、デザインの良さがあり、全体の印象では安っぽさが中和されており、シトロエンらしい先進性のようなものを感じさせる仕上がりになっています。

さらに感心したのは、広くて快適なキャビンの空間が実に使い勝手が良いと言うことです。とくにリアシートが3座独立タイプになっていることや、両側スライドドア、そして独立式ガラスハッチを装備したリアゲートなど使いやすいアイデアが満載でした。もうひとつ、日本車がお得にワンタッチでフルフラット状態にできるシート可倒機構などですが、ベルランゴにもしっかりとそうした機能が備わっていて高い実用性があります。

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リアシートはしっかりと独立した3人掛け

もちろん先進運転支援機能(ADAS)の面でもアクティブクルーズコントロール(ストップ機能付き)やアクティブセーフティブレーキ、レーンキープアシスト、ブラインドスポットモニターシステム、インテリジェントハイビームなどなど最新の機能となっています。

あとシトロエンらしく、独創性的な装備だと感じたのがパノラミックルーフに収納スペースを融合させた“Modutop”と呼ばれる装備です。フロントルーフに収納トレイを設けたほかに、最大14リットルまでのバッグを収納できるBag in Roof(バッグインルーフ)としてスペースを設定しています。物入れがこれほど充実しているのもベルランゴの特徴といえます。ディーゼルエンジンですが、高速道路ではエンジン音も振動もほとんど感じることなく静々と走り、この室内のゆったりとしたスペースと合わせて実にゆったりとした快適な走りを味わえるのです。

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パノラミックルーフに収納スペースを融合させた"Modutop"と呼ばれる装備


このベルランゴ、日本導入に際してのデビューエディションで価格はカングーより60万円余り高額です。装備が充実しているのですから仕方がありませんが、それでもカングーの254.6万円~というリーズナブルなところも嬉しいポイントとなります。結局、アウトドア人間でもない私は最後まで決めきれずにいますが、プジョー・リフターもこの争いに入ってくるわけですから、さらに悩みは深まります。

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