どんな恋をしようと、そのとき納得したのであれば、今になって過去の恋にとらわれる必要はありません。ただ、それがわかっていながら、とらわれてしまうこともあります。

ミチエさん(35歳)は、つい先日、15歳年上の男性と結婚しました。若いころから年上の男性が好きだったそうです。夫となった彼はバツイチですが、すでに子どもは成人しており、元妻とも仲がいいという不思議な関係を築いています。そんな彼女が今も思い出すと、心をちくりと刺されるような痛みを感じる恋があるそうです。


父親を慕うように愛した彼

ミチエさんは、7歳のときに両親が離婚。母の実家で祖父母と4人で暮らしていました。彼女は父親が大好きだったため、非常に寂しい思いをしたといいます。

「父の浮気が原因だったらしいので、今になれば母の気持ちもわかるんですが、当時はどうしておとうさんが消えたのかわからず、寂しくてたまりませんでした。毎日、母に『おとうさんに会いたい』と泣いて困らせていた。あまりに泣くので、一度、父が会いに来てくれたことがあります。でもその後はまた会えなくなって……」

母の実家は東北地方の雪深い場所。高校を出ると彼女は専門学校に通うため、上京してきました。学校に通うかたわらアルバイトをしていたのですが、そのバイト先の飲食店のオーナーと恋に落ちます。

「私が19歳、彼が49歳。30歳離れていました。父と同年齢だったんですよね。私の初めての男性はオーナーです」

オーナーは既婚者。子どもがいたので妻はめったに店には来ませんでしたが、まれに姿を見せたときには「いつもご苦労様」とねぎらってくれたといいます。

「悪いとは思っていました。だけど好きになってしまったんです。今思えば、あちらは若い女の子と遊びたかっただけでしょう。でも私は夢中になってしまった。恋なんて初めてだから押し引きもわからないし、ただひたすら彼を慕うしかなかったんです」

嫉妬心が止まらず

帰宅しようとする彼をひきとめ、自分のアパートに来てくれるように懇願したこともあります。彼と離れたら自分を保てなかったのでしょう。若さゆえの一途さです。

「専門学校を出て就職したんですが、それからも彼との関係は続いていました。私の代わりに入ったアルバイトの子との仲を嫉妬したり、奥さんに嫉妬したり。一緒にいる時間が少なくなった分、嫉妬が激しくなっていきました」

彼は少しうっとうしそうな様子を見せることがありました。そんな表情を見ると、彼女は不安に襲われます。