はじめに
高知では半数近くが披露宴のみ
次に、披露宴のみ、という結婚式(披露宴のみ婚)が多めの都道府県があるかをみてみます。
全国でみると3.0%という極めて少ない「披露宴のみ婚」ですが、なんと高知では45.9%にものぼり、カップルの半分が披露宴のみ婚、という独特の地域性がみられます。
これもデータエビデンスではありませんが、四国在住の方からは、四国の中でも高知県はみんなでワイワイやることを重視する文化が強めに思える、との意見がでています。
高知の観光名所ともなっている「ひろめ市場」にある飲み食いする屋台広場に代表される、たくさんの人々が集まってざっくばらんにとにかく楽しく飲み食いすることが大好き、という地域性です。
この「ひろめ市場」、実は四国の別のエリアでも流行らせようとしたものの、うまくいかなかったそうです。「結婚式? なんといっても披露宴がメインだ!」という熱い意気込みや独特な盛り上がりが背景にあるのかもしれません。
披露宴のみ婚が全国平均の倍以上となる6.0%以上のエリアが10エリアありますが、先ほどの挙式のみ婚で上位にきた愛媛県に、そして披露宴のみ婚で全国平均の2倍以上の割合を示しているエリアの中に、高知県、香川県、徳島県と足すと、四国4県すべてがそろいます。
2つのデータからは、四国エリアは全国水準からみるとかなり個性的な結婚式を選ぶ傾向がある、ということが指摘できます。
どんな形でもすばらしい
筆者の周りのカップルからは、
「(どちらかが)学生だったので、写真館で写真のみでした」
「新入社員時代なので、式場ではなくてレストランで、お料理以外は手作りで会費制にしました」
「義理親が海外駐在だったので、自動的に海外挙式となり、ごく一部の人だけ呼びました」
「夫はバンドが趣味で、式で演奏を披露することになり、思い切り大音量婚となるのでホテル婚は無理でした」
などの声が聞こえてきます。
お金をかけた盛大な挙式がふたりのスタートでなくても、一人より二人でともに頑張っていきたいものです。結婚への原動力は、挙式をする・しない、お金をかける・かけないも含め、あらかじめ決めた条件に到達することにあるのではなく、そんな条件は未達でものりこえようとする気持ち、というところにあるのかもしれません。