はじめに

3千回転の先にもうひとつの世界が

![ウラカン7](https://res.cloudinary.com/hya19ty1g/image/upload/q_auto/v1582286056/moneyplus/LIFE/20200221_urakan14.jpg)

合流車線で一気に加速し、本戦に合流。あっと言う間に制限速度です。ウラカンEVOの0~100km/hのフル加速時間は2.9秒といわれていますから、あっという間なのです。ちなみ国産車最速のGT-Rニスモは2.8秒だったはずですから、ほぼ同等の加速性能です。電気自動車のテスラ・モデルS P100Dが2.5秒ということで「EVより遅い」と捉える人もいます。確かに時間だけでいうと遅いかもしれません。ところがガソリンエンジンにはそのエンジンならではの独特の加速感があるのです。EVは加速の最初から一気に最大トルクが発生しますから、いきなり強烈な加速が全身を襲うので、少し気持ち悪くなります。

ウラカン8

一方のガソリンエンジンは徐々にトルクが盛り上がってきて、その感覚に合わせて車速が上がりますから、感覚的にはより自然なんです。とくにウラカンEVOのV10はターボと比べてもエンジン回転の上昇がマイルドかつ自然で、とても気持ちがいいのです。昔から慣れ親しんだ加速感は、ひょっとすると前時代的かもしれませんが、何ともスムーズで“エンジンはやっぱりいいね~”と思わず叫びたくなるのです。

なによりもアクセルを踏み込むと徐々に盛り上がってくるトルク、そして背後から聞こえてくる官能的なエンジン音の高まり、そして路面を這うような走行感覚はなににも増して快感です。サーキットなどのクローズドコースでこの先の加速感を試すと、あまりの気持ちよさからどんどんアクセルを踏み込んでいくと3千500回転辺りから、もう一段強力なトルクゾーンが顔を見せるのです。もちろん一般道でこれをやればライセンスが何枚あっても足りません。とにかくこのスタートから高速域までの強烈だが実に自然で滑らかな加速感は、過給器やモーターアシストといったパワーユニットではまず味わえない快感なのです。

そして魅力的なエンジンに組み合わされるのが4輪駆動、4輪操舵のドライブトレインです。4輪でしっかりと路面を捉え、4輪で操舵をするわけですから走りは実に安定していて、なおかつアベレージも高く保てる。高速道路での直進安定性の高さだけでなく、コーナーでの切れ味の良さは極上なんです。ステアリングを切り込むと、自分で狙った方向にスッと鼻先が向く、そのレスポンスの良さを味わうと“もう少し、エンジンのクルマに乗っていたい”という気持ちになるのです。

これほど気持ちのいいエンジン搭載車両が、もうすぐ締め出されてしまうのでしょうか? いまだに4割といわれるエンジンの燃焼効率をさらに向上させる努力をしてほしいと願うのは、やはり時代遅れなんでしょうか。スーパーカーに乗るということはある種の背徳を感じることなのかもしれません。