はじめに

証券市場を外国人投資家へ開放

政府が次なる改革として手掛けるのが、金融市場のてこ入れです。民政移管後の開放政策を追い風に急増した直接投資ブームが落ち着いたことから、政府は2018年の卸・小売りや教育、2019年の保険など次々に外資による投資を認めていました。いよいよ証券市場の開放を進め、海外からの資金をさらに呼び込みたいとの考えのようです。

ヤンゴン証券取引所は2015年に開設され、2016年3月に株式売買が始まりました。同取引所は、国営ミャンマー経済銀行と大和総研、日本取引所グループが出資し、日本政府も上場企業の開拓の取り組みなどを支援しています。

もっとも、上場企業数は、2016年に3社(財閥系多角企業、工業団地運営、銀行)、17年に銀行、18年に通信の合計5社にとどまっています。今のところ、上場後の株価が低調に推移したことが多かったことで、これまでは低調な取引状況となっています。

ミャンマーへ国内外から投資可能に

こうした状況を打開すべく、ミャンマー政府は2018年に「新会社法」を施行。ミャンマーでは、全株をミャンマー人が持たない限り外国企業とみなされ、外資規制の対象となってきました。

しかし、新会社法では、外国企業の定義が、外国人の持ち分が35%を超す場合に改められています。それにより、外国人が株式を保有しても、これまでと同等の扱いを受けることができるようになりました。外国人による出資に躊躇してきたミャンマー国内企業が、外国資本を受け入れる下地が整ったと言えるでしょう。

これが市場開放の転機となり、政府は2020年3月20日、外国人による株式の取引を解禁しました。未上場株市場も新設し資本市場の裾野を広げていく姿勢です。今後は現地の証券会社に口座を開設すれば、国内外どちらに居住していても外国人が投資できるようになります。

これまではミャンマー人とミャンマー企業だけが参加できる閉鎖的な株式市場でしたが、今後は国外からの資金流入も加わり、株式取引の活発化が期待されます。外資系企業が出資したミャンマー企業が上場する可能性も出てくるかもしれません。

ミャンマーはこれまでも規制緩和などによる市場開放が、短期間での市場の急拡大につながってきた国であるだけに、今後のミャンマー株の上昇を期待したいところです。

<文:シニアストラテジスト 山田雪乃>

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