はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。
今回の相談者は、4月から新社会人になる22歳の男性。額面で20万円になる給与のうち、いくら貯金にまわしたらいいのか悩んでいるといいます。FPの平野泰嗣氏がお答えします。
<相談者プロフィール>
・男性、22歳、会社員、未婚
・両親と同居
・ボーナス込みの額面年収:320万円ぐらい
・現在の貯金:15万円(学生時代のバイトで貯めた)
【毎月の家計情報】
(収入)
・手取り月収:額面20万円と聞いているが不明
(支出)
・住居費:実家暮らし
・外食費:2万円
・定期代:1万円(給料に含まれる)
・通信費:0.5万円
・その他:未定
【ボーナス時】
・ボーナスの使い道:未定
平野: 相談ありがとうございます。これまでのアルバイト収入と違い、定期的にまとまったお金が入ってくるので、お金とどう向き合えばよいのか戸惑いを感じる新社会人の方も多いのではないでしょうか。
使えるお金が多くなると、つい気持ちが大きくなって使い過ぎ、浪費グセがついてしまう可能性があります。何事も最初が肝心といわれるように、社会人となったのをきっかけにお金との付き合い方をしっかり考えておく必要があります。
新社会人は初任給を何に使っているのか?
新社会人の初任給の使いみちについては気になるところです。ソニー生命保険株式会社が行った「社会人1年目と2年目の意識調査2019」では、社会人1年生には「初任給はどのようなことに使いたいか」、社会人2年生には「初任給はどのようなことに使ったか」を調査しています。
意識調査は3月に行われているので、社会人1年目の人は初任給を貰う前の段階での回答ということになります。
社会人1年目の初任給の使いみちの第1位は「貯蓄に回す」(53.2%)で過半数の人が回答しました。さらに「生活費に充てる」(36.4%)、「自分にちょっと良い物を買う」(30.6%)のように“自分のために使う”となっていて、「親への贈り物を買う」(31.0%)、「親をご馳走に連れて行く」(27.0%)のように“親のために使う”という回答が続いています。
社会人2年目の人は、実際に初任給を何に使ったかを回答したことになりますが、第1位の「貯蓄に回す」から第4位の「親への贈り物を買う」までは順位は変わりません。
気になる点は、「貯蓄に回す」は、社会人1年目は53.2%であるのに対し、社会人2年目は38.0%である点です。貯蓄をしようと思っていたけれども、貯蓄できなかった人がいることがわかります。
その原因として考えられるのは、「友人と飲み会・食事会を楽しむ」といった社会人1年目(20.0%)よりも社会人2年目(25.4%)の方が割合が大きくなっている項目のように、当初、貯蓄しようと思っていたけれども、実際には使ってしまった、というような予定外の支出があったためと考えられます。