はじめに

リアが最大の見どころ

はっきり言います。このヤリス、けっこう好きなデザインです。最近のトヨタデザインに対しては、顔がアグリーで受け入れられないとか、色々と辛辣な評価もあることは承知しています。でも新型のカローラのデザインもカッコいいと思いましたし、このヤリスも存在感は飛び抜けて大きく感じるのです。フィットがあっさり系の柴犬イメージでしたが、こちらはかなり彫りが深く、ちっちゃいくせにグラマラスなんです。

まずはフロント部分のキリッとした表情に目が行きます。トヨタ流グリルのデザインなんですが、このボディの大きさだからでしょうか、一番しっくりくる感じがします。車格が上がり、ボディが大きくなるほど、トヨタ流グリルデザインは処理が難しくなると前から感じていましたが、ヤリスの大きさならピタリとはまっている感じです。

トヨタのフロントグリルは小さなクルマほどまとまりがいい感じです。

ヤリスの外観でもっとも魅力的なのが、リア部分のふくよかなデザイン処理の上手さ。リアのドア部分からフェンダー、そしてリアバンパーへと回り込むようにふくよかな膨らみが連続していきます。このボリューム感あるデザイン処理はヤリス最大の見どころ。全体として、この小さなボディの中に、現在のトヨタデザインのすべてが表現されているようで、個人的にはとってもかっこいいと感じます。

今回、すべてを刷新し、車名まで国内では変更してデビューしたヤリスですが、最大の注目点は走行性能以上にデザインにあると感じた瞬間です。前回紹介したホンダ・フィットに今回のヤリス、さらに1ヵ月ほど前に試したマツダ2。この3台のBセグメントという小さなクルマを試してみて、ボディの大きさに収まりきれないほどの魅力を感じました。

ヤリスを試してみて、改めて「小さいクルマ、いいなぁ。もう一度マイカーにしたい」という個人的計画が動き出しそうな気持ちになったところで、燃費を確認してみました。え、23.3km/L……。

燃費テストとして十分な距離ではありませんでしたが、やはり最初のスポーツ走りが祟ったようです。反省、反省。

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